コスパがいい長距離移動、もはや夜行バスより「フェリー」の時代到来か
日本国内の交通手段としてその存在をよく知られている一方で、実際に利用したことがある人となると意外と多く無いのがカーフェリーではないでしょうか
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利用者はまだまだ多くない?
実のところ現時点でのユーザーは長距離トラックがメインであり、一般客向けの乗用車輸送枠はそれほど多くはないようです。
さらに車両の輸送費用がそれなりに掛かること。
そもそもフェリーを使うレベルでの自家用車による長距離旅行自体、フェリーが就航している路線においてメジャーではないということも理由なのかもしれません。
一方、わが日本のカーフェリーは近年になって優秀船が次々と就航し、旅客サービスの充実に加えて航海のスピードアップが進んでいます。
A地点からB地点までの単なる移動速度を重視するのであれば飛行機や新幹線などが便利なのは言うまでもないのですが、旅の過程そのものを楽しみたい、そしてできればスピーディーな方が良いというのであれば、最新フェリーによる船旅もなかなか乙なものなのです。
九州在住の人が2019年4月から就航した新しいフェリー会社である「東京九州フェリー」の新門司―横須賀路線を利用、極めて快適だったと語ってくれました。
フェリーに乗っていざ苫小牧に??
ブリッツェンのハイエースロングワイドがめちゃくちゃ小さく見える。
まるでホワイトベースに戻るガンダムのようだわ。 pic.twitter.com/iq75CO9uFF— 廣瀬佳正 (@HIROSEYOSHIMASA) September 6, 2022
大浴場やレストランも充実
その人は急ぐときは新幹線を、そうでないときには夜行バスを主に使っていたのですが、新たに就航したフェリーの料金が夜行バスよりもむしろ安いということで利用してみたというのがことのいきさつ。
フェリーの場合、安い船室だとカーペット敷の大部屋という認識を抱いていました。
しかし、新しいこのフェリーの船室は、一番リーズナブルなものでも、ちょうどカプセルホテルによくあるスタイルの横から入るベッドコンパートメントをカーテンで仕切るスタイル。
プライベートもそれなりに確保されていたというもの。
フェリーならではの大浴場やレストランも充実しており、楽しく快適に時間を過ごすことができたと語っていました。
この話を聞いて現時点で国内フェリー各社の長距離便を調べてみたところ、カプセルホテルスタイルの客室はもはや多くの船舶に採用されていることがわかったのです。
さらに使用されている船舶のスペックも併せて調べてみたところ、思いのほか高速で運航されていることにも驚かされました。
ちなみに日本のカーフェリーの中では以前から、新潟/敦賀/舞鶴―小樽/苫小牧東の日本海航路を走る新日本海フェリーの「はまなす」と「あかしあ」(舞鶴―小樽、敦賀―苫小牧東に就航)の航海速力30.5ノットという海上自衛隊の護衛艦の公称最高速力に匹敵する快速運航が知られていました。
東京九州フェリーの場合も、開業と同時に就航した新造船「はまゆう」と「それいゆ」の28.3ノットという航海速力が光ります。
本日8月30日(火)、三菱重工業 下関造船所 江浦工場にて、2023年就航予定の新造船「さんふらわあ むらさき」の命名・進水式がおこなわれました。
本船は、現行船「さんふらわあ こばると」の代替船として運航いたします。
カジュアルクルーズとクリーンエネルギーが融合した新造船にご期待ください! pic.twitter.com/FZFNFvaoXp
— さんふらわあ(関西?九州)【公式】 (@ferry_sunflower) August 30, 2022
申し分ない「快速」運航
東京九州フェリーは新日本海フェリーの系列会社であり、スケジュールによっては新日本海フェリーの「すずらん」と「すいせん」が同航路を走る場合もあるとのことですが、この2船の航海速力も27.5ノットと快速です。
この他、苫小牧―仙台―名古屋を結ぶ太平洋フェリーの「きそ」「いしかり」「きたかみ」ではおおむね24~26ノット。
苫小牧―大洗を結ぶ商船三井フェリーの「さんふらわあさっぽろ」「さんふらわあふらの」が24ノット。同じく「さんふらわあしれとこ」「さんふらわあだいせつ」が25ノット。
いずれも快速であると言ってよいでしょう。
他には新門司―神戸/大阪を結ぶ阪九フェリーの「いずみ」「ひびき」「せっつ」「やまと」の航海速力も23.5ノットとなっており、いずれも大型船であることを考えると、フェリー=スピードが遅くて時間が掛かる、という印象はもはや過去のものと言って差し支えありません。
わが日本は国土が狭い割には、その中での移動手段には恵まれているということに異論がある人は少ないと思います。
飛行機、新幹線、高速道路、いずれも時間とコスト、さらには快適度といった要求条件に併せてそれぞれ最適なものを自由に選択することができるのです。
1か月ぶりに名門大陽フェリーで九州に向かいます
??
台風の影響はどうかな?
ちょっと心配です
?? pic.twitter.com/F72DKSAL2K— ヤマさん(♂) (@Ikuzo52) September 4, 2022
片道1万2000円の価値は?
それらの中でフェリーでの船旅は、リーズナブルな価格でクルーズ客船の快適さを手軽に味わうことができるという意味ではもっと注目されてもいいように思えます。
ちなみに最初に記した東京九州フェリーの新門司―横須賀間の大人ひとり片道の運賃はハイシーズン料金を外せば1万2000円です。
これは格安航空会社の最安値価格よりは上ですが、新幹線は言うまでもなく、標準的な夜行バスよりもかなりリーズナブルです。
ゆっくり寝ながら目的地に到着できることを思えばその価値は高いでしょう。
現時点で路線が限られているのが少々ネックではあるものの、コロナ収束の折にはのんびりと船旅を計画してみるのも良いかもしれません。
徳島から東京へのフェリーは1泊が必要なんだけど(11時20分発、翌日5時30分着)こんな部屋に泊まるよ。カプセルホテルみたいだよ。 pic.twitter.com/zJowGGzAhW
— Motcii (もっち?) @ エンジニアバンクで月収10万円以上アップの転職をサポート!! (@maple_no_motcii) September 7, 2022
ネットの声
「徒歩乗船に限らず、何よりカーフェリーは乗り慣れた自家用車で旅ができますし、航行中はすべて休息の時間に充て、体力を温存または回復できるので重宝しています。ただし、波が比較的穏やかな場合に限ってですが…w
新日本海フェリーのはまなす、あかしあ両船は、「航行速力が」30.5ktでありますから、有事や訓練ではない場合に経済航行中の護衛艦より余程速いという船舶ですね。最高速力は確か32ktのはずで、出港1.5h遅れくらいまでは充分定時航行まで取り戻せるとか…。定時航行に戻ると、通常の6~7割ほどに機関出力を絞って航行するのだと、今年4月にはまなすへ乗船した折、グリルで仕事をしていらした乗組員の方から伺いました。」「どちらかというと、西日本で馴染みのある交通手段ですね。
橋が開通した後でも、瀬戸内は短距離含め航路が多く、割りと使いやすく感じます。
港までのアクセスに難がありますが、狭いバスに比べると疲労度は段違いに少なく、運転手不足を考えると貨物含めた輸送力が圧倒的なフェリーの時代がきてもいいと思います。」「フェリーは確かに快適だった。門司~神戸間で露天風呂に入れたのは秀一だった。ただし、気になる点はある。
食事を食堂で食べると、ちょっとした料金が掛かる。それも含めての船旅と思えば安いが、安さ重視で使おうと思うと、損した気分になるかもしれない。
あと、Wifiが入らないので、スマホ以外の時間潰しが必要。
フェリーといえども、揺れはある。乗り物酔いをし易い人は、酔止めを持っていったほうがいい。
総合的には、旅を楽しむという点では、フェリーでの移動は十分アリだと思う。」