クルマの電動化で今後はどうなる!? 激変するガソリンスタンド事情
ガソリンスタンドが減少の一途を辿っています。
近所のガソリンスタンドを思い浮かべてみても、「そういえば、あそこにあったスタンドが無くなってる……あっちのスタンドも……」と思い当たる人も多いでしょう。
なかには往復で数十分かかるガソリンスタンドまで給油に行くという人も珍しくありません。
携行缶を持参して買いだめして帰りたいところですが、最近ではそれもままならない所も増えてきました。
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1997→2021でガソリンスタンドの数は半分に 「給油難民」増加がEVへのシフトを加速
資源エネルギー庁がガソリンスタンドの数を毎年発表しているのですが、令和2年度(2021年3月末)のデータを見ると昨年より632店も減っています。
ちなみに全国で2万9005店となりました。
5年前の数字を探すと3万2333店なので、10%に相当する3300店が廃業してしまったことになります。
大雑把な数字でいえば1997年に二酸化炭素削減で盛り上がったあたりで6万店を割り込み、2009年のリーマンショックで3万店台突入といった具合です。
初代プリウスが発表になった頃は今の2倍以上のガソリンスタンドが存在したということになります。
身の回りのことを考えても半分くらいに減ったのではないでしょうか。
今やガソリンを入れに行くため往復で30分以上かかるような地域も珍しくありません。
こう書くと「だったらガソリン携行缶を持って行って買いだめすればいいのでは?」と思うかもしれません。
これまた非常に難しくなっているのです。
驚いたことに法規対応の携行缶を持って行っても拒否されてしまうケースが出てきたからです。
携行缶への給油ができない
従来もセルフのスタンドでは客が自ら携行缶にガソリンを入れられませんでした。
店員さんに声を掛け、入れてもらうことになります(京都のアニメ会社放火事件のあと、免許証などで本人確認を求められるようになりました)。
ところが!先日出光興産のWebサイトを見たら「当社系列のセルフのサービスステーションでは、スタッフがお客様に代わって容器へ注油することもお断りしています」。
完全拒否になってしまったのです。
考えてみましょう。
皆さんの近所にセルフじゃないスタンドはありますか?
そして困ったことにフルサービスのスタンド、急激に減少しています。
災害時用に携帯発電機を準備しても、ガソリンを売ってくれないという本末転倒な状況になってきてしまったのです。
ガソリンは生活必需品だと思うのですが、どうやら経産省はそういった概念を持っていないようです。
スタンドが「携行缶に入れない」と言っても許しています。
さらにスタンド減っても携行缶対応すらできません。
今後は更に減っていく
今後どうなるのでしょうか。
新型車の燃費はドンドンよくなるため、ガソリン消費量が減少していくのは間違いありません。
5年すれば電気自動車の販売台数も増えてくるでしょうから、一段とスタンドの経営は厳しくなるでしょう。
かといって利益率を上げようとしたらガソリン価格が高くなり、エネルギーコストの安い電気自動車に乗り換える動きを加速させます。
大雑把な予想だと、2035年になったらスタンドの数は今の半分以下。
人口密度の少ない地域ほどスタンドが減るでしょうう。
ここにきて電気自動車の否定論も出てきました。
日本人、否定の論議をするのが大好きです。
第2次世界大戦末期、とっととプロペラ機に見切りを付け、ジェット機の開発に着手した欧米と鮮やかに違います。
スタンド数の減少を考えたら、人口密度の低い地域から電気自動車になっていくでしょう。
戸建て住居ならクルマのガレージ分の太陽光発電パネルだけで年間の走行距離くらいの電力を作れますから。
ネットの声
「一般の給油する人たちはガソリンの価格が高くなり儲けがそれなりにあると勘違いしている人もいると思う。実際は給油者の支払う金額の半分以上が不明な税金であることをちゃんと知るべきである。税金に税金を課す平気でする政治家や公務員の国民をバカにしているとしか思えない愚策をこのままでいいのだろうか?国民は本気で考えないといけないと心から思う。特に若い人たちはもっと政治や国家の体制に興味を持つべき。」
「30年前に高校生のバイトで雇って頂いたガソリンスタンドが近いうちに閉店すると聞いた。帰省した際には給油に行っていたが、時代ですかね。ご子息もいるみたいですが、継ぐ判断はできなかったみたいです。車が好きな私は働いていた当時、50歳近くになったら、V6エンジンのセダンあたり乗ってるのかなと想像してましたが、現実は軽自動車です。」
「ガソリンスタンドが減った理由に、2011年の消防法改正がある。スタンド地下にあるタンクが40年を超えたら改修しなくてはならなくなって、その費用が億単位なため、一気に廃業へ追いやられた。その後追い討ちで、車の低燃費化と昨今の電気自動車の流れで、商売あがったりってわけだ。」