日本人はどんどん貧乏になっている…購買力の低下に危惧

ここへきて「日本の購買力」が劇的に低下…いよいよ日本人の生活が「貧しくなってきた」現実

足許で、世界的に物価の上昇圧力が一段と高まっています。

その背景には、オミクロン株などの感染再拡大によって各国で動線が寸断され、サプライチェーンが混乱したことがあるのです。

物価は上がれど給料が上がらず…

脱炭素や異常気象、ウクライナ問題による地政学リスクの高まりで、穀物や資源などの価格が上昇しています。

日本でも、物価上昇が少しずつ顕在化している。

その一方、国内ではなかなか給料が上がらない状況が続きそう。

給与が上がりにくく、物価が上昇すると、当然、私たちの暮らしは苦しくなるでしょう。

最近の日本の貿易状況を見ると、輸出品の競争力が低下する一方、輸入品の価格上昇が顕著になっています。

有体に言うと、日本の経済力が低下しているということです。

今後もこうした状況が続くようだと、私たちが欲しいと思うものを海外から輸入することが難しくなります。

海外から原油やLNGを欲しいだけ輸入できなくなると、国内のエネルギー価格は上昇します。

また、カニやマグロなどの魚貝類の輸入もままならなくなるかもしれません。

その場合には、私たちは生活レベルを落とさざるを得なくなるのです。

高まる世界的な物価上昇圧力

物価の推移を示す経済指標には、生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)の2つがあります。

生産者物価指数は卸売物価指数とも呼ばれ低mあす。

日本では企業物価指数として日本銀行が公表しています。

世界全体で卸売物価の上昇は鮮明。

1月の米PPIは前月比で1.0%、前年同月比で9.7%上昇しました。

いずれも事前予想を上回ったのです。

米国では、旺盛な需要を背景に企業はコストを最終価格に転嫁しています。

そのためCPIも上昇。

1月のCPIは前年同月比7.5%上昇しました。

1982年2月以来の高さとなりました。

その他の国や地域のCPI上昇ペースにはばらつきがありますが、サプライチェーンの寸断や人手不足による賃金の上昇圧力を背景に、徐々にコストを転嫁せざるを得なくなる企業は増える一方なのです。

世界的にCPIも上昇するでしょう。

物価の上昇が続けば、その国の通貨の価値は減価します。

その展開を阻止するために米国の連邦準備制度理事会(FRB)はかなり急速に利上げとバランスシート縮小による流動性吸収に取り組まざるを得なくなっているのです。

そのほか、英国、メキシコ、韓国などの中央銀行が物価上昇の圧力を抑えるために利上げを実施しています。

年内に欧州中央銀行(ECB)が利上げに踏み切るとの観測も浮上しているのです。

日本でも世界的な供給制約の深刻化を背景に物価は上昇しています。

4月以降は昨春に実施された携帯電話料金引き下げの効果が薄れるでしょう。

それによってCPIは1ポイント程度押し上げられるのです。

ただし、2021年10~12月期のGDPデフレータは前期比0.8%下落(季節調整値、速報値)しました。

デフレータの下落は3四半期連続です。

それは国内の需要が減少していることを示唆しています。

徐々に苦しさ増す日本での生活

当面の間、日本銀行は異次元の金融緩和策を続けるでしょう。

その一方で米FRBはかなり急いで利上げや流動性吸収に着手しなければならない状況に追い込まれています。

為替レートに大きな影響を与える日米の2年金利差は拡大します。

その他の条件を一定とすれば、米ドルなどの主要通貨に対して円は減価する可能性が高いです。

それに加えて、原油、天然ガスなどのエネルギー資源価格、穀物価格も上昇するでしょう。

日本の輸入物価は押し上げられます。

その一方で、日本経済の大黒柱である自動車の生産は停滞しています。

鉄鋼、鉱物性燃料、半導体などの輸出は増えていますが、貿易収支は赤字が続いているのです。

日本の交易条件(輸出物価指数と輸入物価指数の比率、貿易による付加価値獲得のしやすさを示す)の悪化は避けられそうにありません。

それは、日本の経済力を低下させるのです。

国内では給料が上がらない。

本邦企業はデジタル家電のユニット組み立て型生産などの国際分業やデジタル化、EVシフトに遅れました。

今後は世界経済全体でメタバースが本格化するでしょう。

急激な環境変化に、終身雇用、年功序列などの慣習で対応する事は難しいですが、積極的に対応を進めようとする企業は多くはないように見えます。

成長期待の高い先端分野で日本企業が競争力を発揮することは難しいとの見方が経済全体を覆っています。

今後、日本では世界的な物価上昇圧力の高まりによって、食料や日用品などの支出増に直面する家庭が増えるのは間違いありません。

その一方で可処分所得は伸び悩むのです。

次第に生活が苦しくなる世帯は増える展開が懸念されます。

多くの家庭が生活を守るためにより強く節約を志向し、観光など不要不急の支出を切り詰めざるを得なくなるでしょう。

ネットの声

「昔なら好景気、不景気が交互にあったから景気に合わせて価格を調整出来ただろうけど、今は“超”不景気でもう好景気は来ないだろう。どの店も、どの企業も値下げ競争をするしかない状態になり悪循環から脱出出来ないままの世の中で国民はいつしか安いのが当たり前という感覚を無意識のうちに持っていると思う。この状態だと値上げしなければ苦しい状態なのに値上げが出来ず儲けにならないままになり、最後は倒産、閉鎖になる。」

「政府の経済対策は課税の出来る高所得者や大企業に金を使ってくれと(デフレ対策)をしているが物や設備は充分あり消費や設備投資は償却以上には魅力がない。したがって効果は期待できない。平均所得300万円以下の所得階層又は所得税非課税層の購買力を高めないと国内経済は殆ど停滞したままである。日銀が頑張っているが、この階層の購買力を高める政策をしないと日銀の政策も積んでしまわないか危惧している。」

「日本は内需経済の方が多いから、そっちに力入れろとかいう議論を聞きますが、資源とか食料とか生活必需品ってほとんど輸入ですよね。
だから輸出の比率が少なくともそこに競争力がなければ国際的には貧しくなっていく一方なのでは。
それと賃金を上げれば日本人は豊かになるという議論も多いです。
全く否定するわけではないですが、現状、薄まった円がたくさんもらえるようになるだけで、まさしくヌカにクギ、暖簾に腕押し。
国内で批判合戦をしているのではなくて、国際的な立ち位置を考えないと、行き詰まるだけじゃないかとも思います。」

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