斬り殺しても罪じゃない?江戸時代の武士に与えられた特権「切捨御免」の知られざるルール
「切捨御免(きりすてごめん)」という言葉を、時代劇などで耳にしたことがある方も多いと思います。
こんな言葉があることから、武士たちはさぞ簡単に人を斬っていたのだろう、と想像できますが、実は意外とそうでもないんです。
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「切捨御免」よく聞くけどその意味は?
説明不要……かもしれませんが、「切捨御免」とは「斬ってごめんね」という意味でありません。
江戸時代の武士に名字帯刀とともに与えられた特権のひとつで、町民や農民から無礼を受けたときに斬って殺しても罪には問われない、というもの。
他に、「無礼討ち」や「手討ち」などと呼ばれました。
電車の高校生はかわいそう。けど大人が子供を守らないなんて!高校生は正しいことして素晴らしい!は違和感。ヤクザに注意しないし不良はカツアゲ・おやじ狩り古くは切り捨て御免。そこに正義を振りかざしても虚しい。残念なことに世界は理不尽に溢れていて力のない人はそれを避けるのにお金を払ってる
— KTake????ベイエリア (@ktake2011) January 28, 2022
「切捨御免」は厳しいルールがあった?
こう聞くと、武士は簡単に庶民を斬りまくっていたのでは?と思いますが、実のところはそうでもないようです。
というのも、切捨御免を行うためには厳しいルールがあったからです。
それは、武士が庶民から受けた侮辱の名誉回復・正当防衛の手段であること。
なにを持って“無礼”とするかの判断は難しいですが、一般的には、武士に故意にぶつかったり妨害行為があった場合とされていました。
ですから、気に入らないからと言ってむやみやたらに斬り殺すことはできなかったのです。
ちなみに、勝手に人を斬ることは辻斬りと言い、死罪となります。
江戸時代、武士が面目をつぶされた時等には切り捨て御免が許されていたが、刀を抜いたにも関わらず、相手に逃げられてしまった時は逆に切腹しなければならなかった。
— あいりか (@irodoai) January 28, 2022
切捨て後も大変だった
条件を満たし切捨てを行ったとしても、その後も大変なことが待っていました。
まず役所(奉行所)に切捨ての事実を申し出なければいけません。
さらに、人一人切ったことは重い事実であるため、20日以上の自宅謹慎。
そして、切捨ての正当性を示す必要がありました。
無礼な行為を働いたということ、そしてそれに対する正当性を立証するための証人も必要でした。
正当性が認められればおとがめなしで済みますが、もし「殺すほどでもないだろう」と正当性が認められなければ、最悪の場合家名断絶もありえました。
そのため、武士も簡単にはできない行為だったと考えられます。