カワサキからメグロが半世紀ぶりに復活!

東急目黒線の不動前駅周辺に、老舗バイクメーカーがあったことをご存じでしょうか。

その名は目黒製作所。

かつて日本初のスポーツバイクとして一時代を築いた「メグロ」が今年、約半世紀ぶりにカワサキモータースジャパンの手で復活しました。

今も一部のファンから神格化される伝説のバイクのルーツをたどりました。

目黒製作所の名車

目黒製作所は一九二四(大正十三)年に創業。

創業者の一人、鈴木高治は目黒の名前を冠したことに「目黒のサンマじゃないが、何かと知られた土地の名を借りて名前を改めた」と述懐する記事が残ります。(『日本モーターサイクル史』、八重洲出版・二〇〇七年)

しかし実際に本社があったのは目黒区ではなく、品川区大崎本町三(現・同区西五反田四)。

古い住宅地図をもとに跡地を訪ねると、日産自動車の巨大なビルが立っていました。

今では知る人はほとんどいませんが、駅前商店街で靴店を営む青島庸子さん(75)は「うちの前で目黒製作所のバイクが走っていた。工場は広くて、エンジン音もよく聞こえていたよ」と教えてくれました。

「漢(おとこ)カワサキ」の礎

カワサキが所有する資料によると、メグロの完成車の生産が始まったのは1937年。

走行性能に優れ、1957年の国内のバイク耐久レースでは1、2、4位と上位をほぼ独占。

白バイにも採用されました。

しかし、メーカーの競争激化で目黒製作所は64年に川崎航空機工業(現・川崎重工業)に吸収合併されたのです。

それでもメグロの伝統は受け継がれ、名車「カワサキ650W1」(通称ダブワン)の原型となり、現在までシリーズが継続。

大型二輪を主流とする「漢(おとこ)カワサキ」イメージの礎になりました。

↑1960年、目黒製作所で製造されたメグロ スタミナK1

今回、発売されたのは大型バイク「MEGURO K3」。

60年発売の「メグロ スタミナK1」、吸収合併された後に出た「カワサキ500メグロK2」に続く、半世紀ぶりの第3弾です。

最新技術を取り入れつつも、当時の雰囲気を再現。渋い色合いになるようにタンクは銀鏡塗装を施し、目黒製作所のエンブレムを添えました。

復活の背景には価値観の変化があるようです。

消費者はスピードなどの性能より、ブランドの持つ歴史を重視するようになりました。

カワサキの商品企画の担当者は「メグロは一種神格化されたブランド。信頼性やレトロな雰囲気を表現できる車両で、技術者はファン心理に応えるよう頑張った」と話します。

今年2月に販売を開始すると、20代から往年のファンまで問い合わせが殺到。

「昔、K2を持っていた」「当時憧れていた」という声が寄せられ、売り上げは好調ということです。

愛好家歓喜の集結

栃木県那須烏山市で、メグロ愛好家が集まり「メグロキャノンボール烏山」を開催した=栃木県那須烏山市観光協会提供

メグロ復活に沸いたのは、工場があった栃木県那須烏山市。

戦時中、目黒製作所は空襲を避けて製造に関わる機器を同地に疎開させていました。

カワサキによると、今でも目黒製作所に携わっていた人が多くいるそう。

11月には、初のファンミーティング「メグロキャノンボール烏山」が開かれました。

全国から約80台のメグロが集結し、市内をツーリング。

工場の関連会社に勤務していた地元住民らがお祝いに駆けつけました。

発起人の自営業山田佳之さん(51)は「メグロは戦前のトップブランドで、この町に工場があったことは誇らしい。今年は復活した記念すべき年で、今後もメグロの聖地として伝えていきたい」と話し、来年以降も開催すると意気込んでいます。

今も昔もライダーをとりこにするメグロ。

やはり「バイクもメグロに限る」のでしょうか。

ネットの声

「小学生の時、近所のおじさんがよく家の前でピカピカに磨いてからエンジンかけて調子みてた。
憶えてるタンクのデザインやマフラー形状からして、あれはW1だったと思う。
子供心ながら「いい音だな」って思ってた。
仮面ライダーやキカイダーのマシンの音もいいけど、おじさんのバイクもいいなと。
やっぱりカワサキのツインはいい。
欲しいけど、バイクって高くなっちゃったよね。」

「コストアップの原因は、ユーロ5排ガス規制対応と、令和2年排ガス規制で要求される車載式(排ガス浄化装置の)故障診断装置(OBDⅡ)なるものが必要になるからと思われる。規制値ぎりぎりで頑張っていたメーカは、高価な触媒増量といったところ。
ところで、エストレア250ccを復活して、メグロブランドでも出して欲しい。」

「w650が60万円台で売られていたことを考えるとその倍ですか。かといって、w650より高級感があるかというと・・・・どうなんだろう。進化はしているけど、費用対効果を感じないですね。ますます手持ちのw650は売らないでおこうと思いました。」

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