『AKIRA』見てしまうと後悔する映画
初めて映画『AKIRA』を見て後悔した話
映画『AKIRA』を見たことはあるでしょうか。
30年以上前のアニメ映画ですが、国内外に熱烈なファンがいます。
当時を知っている人は、“海外で評判になっている日本映画”というニュースを憶えているかも。
若い人、特にZ世代だと生まれる前の映画ですね。
よく「クールジャパン」の筆頭みたいに挙げられて、凄いのなんのと言われている作品ですよ。
騒がれる映画ほど、見てがっかり…なんて思うもの。
勝手に見る気を失っていたという人も少なくないでしょう。
目次
もっと早く見ておけば
映画『AKIRA』のイメージは、何かやたら凄い凄いと言われてるアニメ映画…。
ファッションビルとコラボしていたり雑貨店でやたらグッズを見かけるため、「絵が綺麗でウケてるだけのオシャレ系アニメ映画??」と思っている人も多いかも。
やたらといろいろな人が「絶対見た方がいい」と言う映画でもあります。
見る機会はあっても、イマイチ見ようという気が起こらないもの。
特に昔の映画はそうですよね。
しかも、30年以上も前のアニメとなると…。
見てがっかり、時間を返せ…なんて思う確率が高くなるのです。
それでも、評価の高い映画は時代を超えます。
『AKIRA』情報は(今でも)巷にあふれていて、「IMAXで見て!今やってるから!」という情報も得ていたのです。
不良もので超能力バトルもの、そして主人公の名前は「アキラ」ではない…事前情報はそのくらい。
まあ1回ぐらいは見ておくか、長い人生の2時間くらいは確保しよう。
そんな軽い気持ちで劇場へ。
…
結論から言うと、すごく面白かった。
124分間ずっと『AKIRA』の舞台、ネオ東京に没入してしまったのです。
「絵がウケてるだけのオシャレ系アニメ映画」ではありませんでした。
やたら凄いと言われている理由も分かりました。
背景が緻密で綺麗。
メカデザインや音楽が格好いい。
それだけでなく、登場人物たちが話す時の口の開き方にいたるまで、「動き」がとにかく細かくて滑らかなのです。
登場人物たちはアニメ特有のコミカルな動きもするのですが、その動き方がとても滑らか…。
それはまるで、絵で描かれているにも関わらず、実写映画を見ている感覚に陥るほどでした。
映画『AKIRA』を見るまで、アニメ作品でこのような体験をしたことがありません。
“カリオストロの城”も良かったですが、それとはまた別の話で…。
これは本当に「凄い」体験だと思いました。
映画『AKIRA』にここまで没入できたのは、背景の緻密さや動きの細かさだけのせいではないでしょう。
この物語で描かれている登場人物たちの感情などが、とにかくリアルなのです。
特にW主人公である金田や鉄雄は、「こんな奴いる」「そういうことある」と思わせるリアルさがあったのです。
生まれて初めて映画『AKIRA』観ました!
IMAXレーザーで観て良かったと心の底から思える作品だった……背景が細かい!
表情が細かい!!
音の表現も繊細!!!
これ本当に1988年に作られた映画なの……?人の心の機微を抉るような物語も最高に刺さりました……
オススメ下さった方に本気で感謝!!! pic.twitter.com/TSCWL19d6S— ??あやぽん??(伊達彩香)?? (@ayaka0212v) June 17, 2020
2019年に見ておけばよかった…
物語の大枠は日本(ネオ東京)の危機や超能力、世界や宇宙そのものの仕組みや力に関することなど、とても壮大なものです。
にも関わらず、そんな物語が動く根底には、W主人公である金田や鉄雄が抱える友人との軋轢や劣等感などがあります。
それらは彼らと同じ15~6歳頃の少年はもちろん、小中学生でも「わかる」と思えそうなほど妙にリアルなのです。
SFかつテーマが壮大だと置いてけぼりになってしまうこともありますが、映画『AKIRA』はこの妙にリアルな感情や人間関係の描かれ方によって、壮大な物語を身近に感じることが出来た気がします。
人によっては金田に自分を見たり、鉄雄に共感することもあるでしょう。
ただし身近に感じたからといって、決して物語のスケールが小さく感じられるということではありません。
超能力や人の業、登場人物たちの行き着く先など、見終わった後しばらく映画『AKIRA』の世界について考えても考えても止まらないほど、考える余地のある作品でした。
というか、終盤が怒涛の展開すぎて理解が追いついておらず、考えずにはいられなかったのです。
そして映画『AKIRA』の世界について考えれば考えるほど、ある後悔が大きくなってきました。
もっと早く、具体的には2019年までに見ておけば良かった……という後悔。
一時期「予言」などといって話題になっていたように、『AKIRA』の舞台は翌年に東京オリンピックを控えた、2019年の東京(ネオ東京)が舞台なのですが…。
124分間夢中になって見終えた後ずっと作中世界について考えられるような作品なのだから、もし2019年までに見ることが出来ていたら「2019年の東京」への没入感が凄まじかったことでしょう。
そしてその感覚は映画『AKIRA』への没入感をも、さらに増してくれたと思います。
映画『AKIRA』を見た上で迎える2019年を過ごしたかった…。
『AKIRA』ドルビーシネマ版を観てきました
もう本当最っっっっっ高だった!!!
一番前で見たら目線が消失点? になるシーンが多くて、手榴弾降ってきたり目の前で人が轢かれたりビルやガラスに襲われたりして臨場感が半端なかった
絵を隅々まで見られる幸福感
あとネトフリ配信版より音が多い? pic.twitter.com/xuAb2neLwT
— ??あやぽん??(伊達彩香)?? (@ayaka0212v) December 9, 2020
何回見たことか…
結局はじめて映画『AKIRA』を見てからというもの、その物語や世界について考えることがやめられず、事あるごとに映画『AKIRA』を見る生活を送るようになってしまいました。
一時期ほぼ毎日見たり、なんなら1日2回見たりもしていたため、何回見たか数えておくのもばからしいほど…。。
AKIRAが30年前の映画と知り驚愕してた…凄すぎるだろ… pic.twitter.com/nk0RsI7ZV8
— 井上賢二郎?????:?? (@NakedSnake1117) November 14, 2021
見る前の忌避感が嘘のようにドハマりしてしまった映画『AKIRA』。
その世界観などについて考えるのが楽しくて、いまだに物語の細部が異なるという漫画『AKIRA』を、買ったまま読めていないほど。
もしかしたら、知ってはいるけど映画『AKIRA』を見たことがないという人は少なくないかもしれません。
Netflixやhuluなどのサブスクでも配信されているので、是非見てほしいものです。
※huluは無料期間もあるし
見たことに後悔はしないですよ。