車とともに寝ながら元気いっぱいで目的地へ!「動くホテル」カーフェリーの魅力
飛行機や鉄道、長距離バス、あるいは愛車で自走と、旅の移動手段はさまざまですが、意外と見落とされがちなのが「フェリーでの船旅」。
「長い航海時間をどう過ごしていいのか困る」「そもそも船酔いする」といったイメージがありますが、実は快適な乗り物なのです。
かつて日本中を走り回っていたブルートレイン(夜行寝台列車)より広くて快適、設備も充実しており、カーフェリーなら愛車とともに動けます。
知らなきゃ絶対損する長距離フェリーの魅力、この機会にぜひ知ってください!
目次
快適で割安!カーフェリーの旅の魅力
他の移動手段ではありえないメリットが
カーフェリーの魅力はなんと言っても、「愛車を積んだ船で、広い船内でノビノビと体を動かす事もできる上に、マトモな寝床もあって、疲れ知らずで移動できる」ということ。
他の移動手段ではまずありえません。
飛行機や鉄道なら、移動は速くとも何時間も椅子に座ったまま、狭い通路で動くこともままなりません。
今や数少なくなった夜行寝台特急や豪華列車を除き、横になる事も入浴もできず、もちろん愛車も積めません。
マイカーでの自走は、「ガソリン代や高速代は1台ごとなため、人数が多いほど経済的」がメリットです。
しかし、渋滞にハマればドライバーも同乗者も激しく疲れてしまいます。
途中で宿泊すれば、結局高くついてしまいますね。
高そうに見える運賃も、実は割安
カーフェリーの運賃は、基本はビジネスホテル並の宿泊料金。
もちろん、最近は減ったザコ寝、代わって増えつつあるカプセルホテルのような寝台、個室など、選ぶ寝床でも変わります。
それに加えて、車両運搬料金がかかりますが、ガソリン代や高速代を考えれば割安です。
とはいえ、毎日運航とは限らず、航海時間が長い航路は時間の余裕やスケジュール調整が必要な点がデメリットではありますが、有望な選択肢として検討した方がいいのは間違いありません。
カーフェリーと車
15年ぐらいカーフェリー乗ってないな pic.twitter.com/6nNBOyr2P8
— りあ (@Type_Ria_1996) November 22, 2021
船酔いの心配は?利用者の声を聞いてみた
「船に乗るのも初めてで酔い止め薬を準備しましたが、波が穏やかなこともあって、心地よい眠りを誘うような揺れで、寝床もカプセルホテルが大丈夫な方なら快適です。ただ、船内の風呂で揺れる水面を見ちゃうと、弱い人は酔うかも?」
波が荒い時でも揺れの周期が長く、車や小型船のように「前後左右に小刻みに揺れて酔う」感覚とは違います。
お風呂は「波のあるプール」感覚で楽しめますが、そこは個人差ですね。
オレンジフェリーはかなり新しい船で全室個室ってのが良いね
来年以降、大阪?別府のさんふらわあ、神戸?宮崎の宮崎カーフェリー、神戸?高松のジャンボフェリーもそれぞれ新造船になるのがとても楽しみ pic.twitter.com/CKVjAPLb0e
— Aurorus(仮)@氷統一 (@Kt_ylks) November 22, 2021
カーフェリーは食事も楽しみ!どんなメニュー?
トラックなど物流ドライバー向けメイン、「レストランなし、飲食はフードコーナーの自販機のみ」という航路もありますが、一般客も多い航路は食事も楽しみのひとつです。
新日本海フェリーの利用者からは、このような声が聞かれました。
「船内レストランはバイキング。夕飯は麻婆豆腐にタコの刺身、レモン酎ハイ、朝食はベーコンエッグにたらこをチョイス、新潟の新米が美味しいご飯は大盛りで、特に快晴の海を眺めながら食べる朝食は幸せな気分!」
太平洋フェリーの船内レストランバイキングでは、ステーキも食べ放題
値段はちょっと高めに感じたそうですが、バイキングでモトを取れるかどうかはチョイスしたメニューと盛り付けの量によりけり。
太平洋フェリーの夕食バイキングに出るステーキが楽しみで何枚も食べる人なら、高くはないでしょう。
他にも焼き立てパンを売っていたり、別な航路ではおでんの屋台が出たりと、各社それぞれに工夫されています。
乗船早々、コンビニ弁当を食べて寝てしまう人もいますが、それはもったいなさすぎる!というくらい、船内の食事は楽しまなければ損です。
鳥羽ゆきのカーフェリーにまずバイクが乗り込んで行きます。#伊勢湾フェリー pic.twitter.com/aWCk1RmyM3
— ジーコまろ@名古屋 (@tabisitegomen) November 20, 2021
長い航海時間ならではの、物語のような出会いも…
さらに、今流行りの「ワーケーション」にも最適な、こんな声も。
「コロナの緊急事態宣言が明けてすぐの平日だったので、長距離トラックドライバーを除けば一般客は少なかったものの、自販機で買った酒を飲みながらロビーでテレビを見たり、寝床で地図を広げて下船後のルートを練ったり、むしろゆったりした時間を過ごせました。沖に出ればスマホも圏外ですし、日常の煩わしさともオサラバですよ!」
ネット環境不要の仕事であれば黙々と進めることができそうです。
さらに、太平洋フェリー(仙台~名古屋~苫小牧航路)など利用者が多い航路は、時に「まるで本に出てくるような出会い」が。
長ければ20時間以上におよぶ航海。
航路によっては自分以外の乗客2名、しかも乗船後はどこに行ったのか姿も見えず、寂しい想いをすることもありますが、こんな風に”同志”が見つかると一変します。
同じようにヒマを持て余した時間を共有する者に特有の不思議な連帯感でしかありえない出会いも、カーフェリーならではでしょう。
#ペナント
「日本カー・フェリー」(宮崎県※)1965年の創業時は川崎~木更津を結ぶカーフェリーを運行。飛翔する海鳥を描く赤い煙突は記憶に残るトレードマーク。現:マリンエキスプレス。
これは1972~82年(航路図による)頃のもの。当時の自動車文化の影響がうかがわれて興味深い。
(※現:本社所在地) pic.twitter.com/FKsImEiD3l— 北澤 靖 (お土産ペナント収集家) Yasushi Kitazawa (@sapporo_sankaku) November 21, 2021
カーフェリーの長距離国内航路
カーフェリーの長距離国内航路は、以下の15航路。
他に数時間程度の短・中距離航路も数多くあります。
車とともに寝ながら元気いっぱいで目的地へ!「動くホテル」カーフェリーの魅力
カーフェリーでの注意点
- 時間に余裕を持ち、運行会社の案内に従う。
- 車両情報の提供を求められるため、車検証を準備。
- 車両甲板への移動はドライバーによる自走なので、係員の誘導に従い落ち着いて。
- 車両甲板から出たら到着まで戻れないため、船内で必要な荷物は忘れずに。
- 衛星通信と船内Wi-Fiによるネット環境は、常に安定して利用できると限らない。
- 飲酒は下船時間を考慮し、飲酒運転にならないよう。
- 船内アナウンスは大抵重要なので、しっかり聞く。
- 通信状況が安定しない船内ではキャッシュレス決済が利用できない事も多い。
- 陸地が見えないほど沖合では携帯電話が大抵圏外。
- あまりに悪天候だと、運休や運行時間の変更がある。
下船後も安全運転でよい旅を!
船内でじっくり時間をかけ心身ともにリフレッシュした状態で下船し、慣れ親しんだ愛車を車両甲板から自走で下ろせば、そこはもう旅先。
初めての道で戸惑い、いきなり事故など起こしてはもったいないですから、一旦フェリーターミナルの駐車場に車を止め、目的地の確認やナビのルート設定など、準備万端で出発しましょう。
新日本海フェリー利用者はこう話します。
「乗る前は、「時間も長いし絶対酔うし、苦行だろうと憂鬱」だったのが、下船後は「こんな良い移動手段だったんだ。また乗りたい!」と一変!本当にフェリーは「ゆっくり」過ごせるのでおすすめです!」
カーフェリーでの船旅を知れば、旅はもっと楽しく快適になり、やみつきになりますよ!