檜垣澤家の炎上 永嶋恵美 (著) 新潮社 (2024/7/29) 1,210円

『細雪』×『華麗なる一族』×ミステリ!

「女であっても、私はすべてを手に入れたい」

富豪一家に拾われた娘のたったひとりの闘いが始まる。

横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。

当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。

商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。

檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。

政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。

陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは──。

小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。

「したたかな女たちのバトルがおもしろかったです。ラストは意外でしたが、最後まで飽きずに夢中で読むことができました。」

「主人公の女性・かな子が、徐々に真相の核心へと迫っていく展開がスリリングで、ぞくぞくしながら読み進めていきました。
底知れない恐さを持つ大奥様こと檜垣澤(ひがきざわ)スエとの暗闘、のるかそるかの企みをめぐらすかな子の心理と行動にも、わくわくしましたね。

そして、今まで脳裏に描いていた絵柄が、さあああっと草木が風になびくかのように変化する最終盤のサプライズに、あっ!! と言わされました。
この驚きは、随分前に読んでいたく魅了された短篇、あの泡坂妻夫の「椛山訪雪図(かざんほうせつず)」を彷彿とさせるもの、と言ったら言い過ぎか。いや、しかし、この、それまで見ていた景色が一変、がらりと変化する様は魔法のように見事なもの。心から魅せられました。」

「おもしろい。一言一句練りぬかれ本当におもしろい。
解説では谷崎潤一郎「細雪」、山崎豊子「華麗なる一族」の影響を受けたのだろうと
説明しています。さらに言えば鈴木商店を題材にした玉岡かおる「お家さん」もおおいにヒントとなったと思われる。実際参考文献に「遥かなる海路 巨大商社・鈴木商店が残したもの」があげられています。まあそんな詮索はどうでもいい。
主人公以下(悪)知恵のはたらく人達が次々に登場し、文庫本で800ページもあるのにあきさせない。とにかく興味深くおもしろいエンターテインメントである。
あえて贅沢をいえば主人公かな子の心象、判断、思いが逐一説明されている。ふくみのある表現で行間から読者の想像力をかきたてるということが無いのでちょっともの足りない。」


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