あむんぜん 平山夢明 (著) 集英社 (2022/7/20) 704円

〈あむんぜんの頭の中身を見てみよう〉と、アックンに云われたのは体育祭が終わってすぐのことだった。――「あむんぜん」

“一発ウンゲロってみるか?”“うんげろって、なんですか?”――「千々石ミゲルと殺し屋バイブ」

アイドルヲタク・サブローが、己のすべてを懸けて“ヤブサカ69”の治安維持活動に励む!――「ヲタポリス」

この物語は絶望か、希望か。
平山夢明ワールド全開の短編集。

著者入魂、空前絶後の脳捻転小説。

【著者略歴】
平山夢明(ひらやま・ゆめあき)
1961年神奈川県生まれ。94年に『異常快楽殺人』、続いて長編小説『SINKER―沈むもの』『メルキオールの惨劇』を発表し、高い評価を得る。2006年「独白するユニバーサル横メルカトル」で第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。同名の短編集は07年版「このミステリーがすごい!」の国内第一位に選ばれる。10年には『ダイナー』で第28回日本冒険小説協会大賞と第13回大藪春彦賞を受賞。『ミサイルマン』『他人事』『暗くて静かでロックな娘』『デブを捨てに』など、著書多数。

「待望の新作ですが、相変わらずのキレっぷりが最高です。」

「あけすけで、酷くて、差別的で、デタラメで、痛くて怖くて、クセがありすぎる
毎度、「こんな本、人に勧められるかよ」と思う

なのに、毎度でる度に買う、何度も読む
それは、この人のクセにハマったとかじゃなく、怖いもの見たさでもなく
作品の奥の奥に潜んでたまにチラッと見える、平山夢明の正気がたまらないから

この人は正気だ 正気で頭がいいゆえ、完全にズレたものを完璧にずらしたまま届けてくれる
しかも作品毎に、手を変え品を変えて、いろんな角度から
そして、ズレてズレて、ひん曲がったあと突然、物事の核心を一撃で突く
突いた瞬間に終わる

この人がニュートラルな、乾ききった第三者目線で物語を進めるほど、現実のイタさと苦い味が作品から伝わる
大手作品のような、”作者からの優しい一手”みたいなものが感じられない そういう安心感は全く無い
だからこそ、作品の流れが酷くなって、主人公の人間性が削ぎ落とされた絶望の果ての果てに、チラッと作者の正気が、完全にバランスが取れた目線が見える時があって、それがゾクゾクする」

「平山夢明氏の著書は毎回楽しみにしてます。今回はネットに掲載されて既読していたものもあって個人的にはちょっと期待外れの感じが…。読んでない方ならいつもの平山ワールド堪能できると思います」


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