NHKスペシャルで大反響
ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。
全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。
実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。
安楽死は私に残された最後の希望の光です」
宮下洋一(2019)「安楽死を遂げた日本人」 #読了
よく生きることが、よく死ぬことに繋がる。生き方が様々なように、死に向かう姿勢も多様であって良い。その人の不在を抱えてつつ生きていく家族、という存在がよく書かれていて胸にズシンときた。 #読書好きな人と繋がりたい— はなまり@娘と本と字 (@hanacomary) August 20, 2019
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。
お金も時間もかかる。
ハードルはあまりに高かった。
だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。
〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉
――解説:青木理
【編集担当からのおすすめ情報】
講談社ノンフィクション賞を受賞した『安楽死を遂げるまで』の続編です。
本作に登場する日本人女性は、NHKスペシャルでも特集され、大反響をよびました。
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