僕は珈琲 片岡義男 (著) 光文社 (2023/1/24) 1,980円

珈琲を片手に、ゆっくりと読みたいエッセイ

大ヒット作『珈琲が呼ぶ』から5年。

片岡義男が新たに書き下ろした52篇の珈琲エッセイ。

貴重な写真も38点掲載。

喫茶店を舞台にした短編小説も特別収録、エッセイでは、その創作過程までも明かす。

大瀧詠一/スティーヴ・マックイーン/男はつらいよ/刑事コロンボ/植木等/
チャールズ・ブロンソン/歯科診察券/宮沢賢治/リチャード・ブローティガン/
髭面のエルヴィス/ドトールのミラノサンド/植草甚一/銭湯/天国と地獄/
モーニング・サーヴィス/大統領の陰謀/リック・ダンコ/危険な年齢……

52篇のエッセイに登場する人物、モノ、事柄は変幻自在。

これらがどう珈琲と関係してくるのか、片岡義男の筆致が冴える。

「遠く離れたところにぽつんとひとりでいるのが僕だ、
と長いあいだ、僕は思ってきた。
そのように自分を保ってきた、という自負は充分にあった」 (本文より)

「厳密にはエッセー集ですが相変わらず熟練の片岡ワールドが展開されます。「ありそうな事実」と「なさそうな虚構」の間をすべて珈琲でつなぐという高度な技はもう至高の域に達しています。

そんなことをぼんやり考えながらリラックスして喫茶店、豆の種類、挽き方、マグカップ、BGMなどを選んで自分の好きなシチュエーションで珈琲をおかわりしながら読み進める、という贅沢な時間が待っています。」

「今年84歳になるとは思えない片岡義男さんの文章にまず驚きました。「何を書くか」ではなく「何を書かないか」を意識しているのではないでしょうか。若々しいけれど、抑制の効いた文体は今も健在です。すべてのエッセイが珈琲とゆるやかにつながっていますが、その「つながり方」も絶妙。これ見よがしに主張しないのは、まさに美味しい珈琲と同じなのでは、と思いました。エッセイと寄り添う数々の写真の置き方も緻密です。亡くなってしまった平野甲賀さんの題字、装幀も最高。2度めは珈琲を飲みながら一編一編をゆっくり読もうと思います。」

「珈琲と片岡さんを好むようになってどのくらいの時間が経っただろう、
と、僕は届いた『僕は珈琲』を手にして思った。

本を初めから読んでみた。
片岡節が溢れていた。
片岡節とは、片岡さんの本や話に現れる独特な視点であり、感情の動きであり、論理構成、文体などだ。
ひょっとしたら他にもあるかもしれない。

もったいなくてまだ最初の6ページしか読んでないけれど、すでにとても爽快だ。
40年近く前に繰り返し読んだ『コーヒー もう一杯』を思い出した。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

僕は珈琲 [ 片岡義男 ]

楽天で購入

 

 

おすすめの記事