9割の社会問題はビジネスで解決できる 田口一成 (著) PHP研究所 (2021/5/29)

貧困、難民、過疎化、人種差別、耕作放棄地、フードロス、地球温暖化……

社会問題を解決するビジネス(ソーシャルビジネス)しかやらない会社、ボーダレスグループ。

著者が2007年に創業した同社は、いまや世界15カ国で40の事業を展開し、従業員は約1500名、グループ年商は55億円を超える(2021年4月現在)。

その大きな特徴は、「自分はこんな社会問題を解決したい」という志を持った起業家が集まる「社会起業家のプラットフォーム」であること。「40の事業」はそれぞれが独立した株式会社で、「40人の社長」がいる。

こうして各社が独立経営を行いながらも、資金やノウハウをお互いに提供し合う、相互扶助の仕組み「恩送り経営」は、2019年にグッドデザイン賞(ビジネスモデル部門)に選ばれ、2020年にはカンブリア宮殿でも紹介されるなど、各方面から注目を集めている。

そこで第1章では、ソーシャルビジネスを次々と生み出す同社独自の仕組みを、第2章ではそれらがどういう試行錯誤の中で生まれてきたかを紹介。

後半の第3章・第4章では、40の事業を立ち上げる中で培ってきた「社会問題をビジネスで解決するためのノウハウ」を一挙公開する。

「日々忙しく働いているけれど、自分の仕事は本当に社会を良くしているんだろうか」?

そんなモヤモヤを抱えながら日々仕事を頑張っている、全てのビジネスパーソン必読。

【本書「はじめに」より抜粋】
ボーダレスグループでは「1000人の社会起業家を生み出し、1000の社会問題を解決すること」を目標にしていますが、世の中にはもっとたくさんの社会問題があります。
ボーダレスグループだけでできることは限られています。だから僕は、社会起業家の仲間、社会問題を解決するためにビジネスを始める人や企業が増えることを願っています。

そこで、40の事業を立ち上げる中で培ってきた独自のプランニングメソッド「ソーシャルコンセプトから始める」など、社会問題をビジネスで解決するためのノウハウを紹介します。

社会起業家をめざす人はもちろんですが、一般の企業の新規事業でもきっと役立つはずです。今の会社に勤めながら、まずは副業として、2~3人の仲間とともに小さなマイプロジェクトを立ち上げる方法だってあります。
みなさんが働いている業界や会社で、「これはおかしいな、社会にとって問題だな」と感じていることはないでしょうか。そうしたビジネスが引き起こしている問題を解決できるのも、またビジネスです。

いま必要なのは、ビジネスを「リデザイン」することなのです。

「ボーダレス・ジャパンが行っている技能実習生への日本語教育事業を知ってから、同社のビジネスモデルに興味を持っていた私にとっては非常に面白い本でした。
この本では、従来の経営学やマーケティングの本とは異なる、新たな学びが多く得られました。
特に、従来のビジネスとソーシャルビジネスの価値基準の違いについてはハッとさせられました。」

「田口さんと同い年でサラリーマンしてます。
とても刺激を受けました。
同じ日本人であることに誇りを感じます。
ハチドリのおはなし「微力ではあるが無力ではない」
胸に刺さりました。
ボーダーレスジャパンという素晴らしい集団が
今後もさらに活躍することに間違いなしと確信する内容の一冊でした。」

「本書ではボーダレスグループの仕組みが詳細に説明されています(ソーシャルビジネスとは、社会起業家育成、ビジネス創出・サポート・独り立ちまで、給与設定、資本構成、企業文化等)。とても参考になる内容が多いのですが、特に印象深かったのは、KPIの最優先を「売上」「営業利益」にするのではなく「ソーシャルインパクト」にする点、配当方針、及び今後の事業展開でした。
田口さん個人の行動力が凄い一方で、40名もの社会起業家を輩出されている点も尊敬します。
私自身の行動を見直すきっかけにもなりました。まずは「エシカル消費」に取り組みます。
日をあけて、あらためて読みなおします。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事