ボタニカ 朝井まかて (著) 祥伝社 (2022/1/12) 1,980円

ただひたすら植物を愛し、その採集と研究、分類に無我夢中。

莫大な借金、学界との軋轢も、なんのその。

すべては「なんとかなるろう! 」

――日本植物学の父、牧野富太郎。愛すべき天才の情熱と波乱の生涯!

「おまんの、まことの名ぁを知りたい」

明治初期の土佐・佐川の山中に、草花に話しかける少年がいた。名は牧野富太郎。

小学校中退ながらも独学で植物研究に没頭した富太郎は、「日本人の手で、日本の植物相(フロラ)を明らかにする」ことを志し、上京。

東京大学理学部植物学教室に出入りを許されて、新種の発見、研究雑誌の刊行など目覚ましい成果を上げるも、突如として大学を出入り禁止に。

私財を惜しみなく注ぎ込んで研究を継続するが、気がつけば莫大な借金に身動きが取れなくなっていた……。

貧苦にめげず、恋女房を支えに、不屈の魂で知の種(ボタニカ)を究め続けた稀代の植物学者を描く、感動の長編小説。

朝井 まかて
1959年、大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。コピーライターとして広告制作会社に勤務後、独立。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。江戸時代の職人たちの丹精な仕事振りと細やかな人情を、心温まる物語に織り上げて、愛読者急増中の実力派である。他の著書に『ちゃんちゃら』『すかたん』『先生のお庭番』『ぬけまいる』がある。

「牧野富太郎という種(ボタニカ)を、90年以上の歳月にわたって追いかけた評伝。
「富さん、ほら、ここよ。私のことも見つけてよ。」感動的な植物採集。
しかし、その感動さえ色を失う俗事の数々。大学での不遇、貧乏、大借金。
が、富太郎、「どうにもならん」としばし頭を抱えるも、「なんとかなるろう」と、いつ何時も植物採集へ。
「人間一匹にかかる災難なんぞ、しごく些細な、どうでもえいことじゃ。」
目の前が晴れた気がした。
このとんでもない種(ボタニカ)、富太郎に出会い、思い切り翻弄されつつも生涯を通して愛した、壽衛(妻)と猶(元妻)の奮闘ぶりは、可笑しくて泣ける。
愉しい読書だったよ、富さん。」

「牧野富太郎が好きで、よく本人の著作物を読んでいましたが、小説になった富太郎の、身近にいたらもちろん困るでしょうが、人間味あふれる人柄と、破天荒な、粘り強い人生に魅了されました。」

「来年の朝ドラ『らんまん』のモデルの牧野富太郎の本、読み終えて以前買っておいた大原冨枝の『草を褥に』と合わせて牧野富太郎を改めて知るために・・・『草を褥に』は古本でしかないと思う。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事