
扉の向こうに、永遠を見つけた。
女子中学生の小櫛一琉は、引き出しに入れたものが百年前に送られる不思議な机を発見する。
そうして机を通じて手紙を送ってきた大正時代の少女・日向静と文通をすることになるが、
仲を深める二人の間に時代の荒波が立ちはだかる――
ふたつの時を越えて描かれる感動作。
中堅ティーン誌で細々と読者モデルをしている小櫛一琉(こぐし いちる)。
彼女は撮影で訪れた古いお屋敷で、「引き出しに入れたものが100年前に送られる」不思議な机を見つける。
そして、机を通して手紙を送ってきた大正時代の少女・日向静(ひなた しず)と偶然の出会いを果たし、文通をすることになる。
マスクを手放せない窮屈な生活に辟易する一琉と、百年後の世界に憧れる好奇心旺盛な静は、手紙を送り合う中で次第に心を通わせていく。
しかし、二人が気付かぬうちに、彼女たちの運命を狂わせる大きな事件が迫っていた。
令和と大正――遠く離れた時代を生きる二人の少女が織りなす、時を超えた絆の物語。
ほんの数文字でも、それはあまりに雄弁な言葉だった。
《誰ですか?》
これが、私と日向静の、ひそやかな文通の始まりだった。
著者について
1988年生まれ。京都大学文学部卒。2010年、大学在学中に応募した「遠呪」で第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。同年、受賞作の改題・改稿版に書き下ろしの近未来SF中篇「chocolate blood, biscuit hearts.」を併録した『少女禁区』(角川ホラー文庫)で作家デビュー。他に『なめらかな世界と、その敵』、編著に『日本SFの臨界点』『新しい世界を生きるための14のSF』などがある。
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