「どこかではぐれないように。はぐれてもまた会えるように」と、ふたりで約束した――
春生は去年、妻の久里子を病気で亡くした。
いまだにメソメソしていて息子の亜土夢にあきれられている。
久里子は去年、夫の春生を突然亡くした。
倒れた朝、彼にちょっとだけ意地悪をしたことをいまも悔いている……
〈妻を失った夫〉〈夫を失った妻〉のそれぞれの世界から優しく紡ぐ、人生の愛しさに満ちあふれた感動の物語。
(解説・木皿泉)
君のいた日々/藤野千夜
大切な人が亡くなっても、なんだかそばにいる気がする。愛する人の死を乗り越えるのは容易くないですが、きっと乗り越えなくてもいいんだろうなぁと、この本を読んで思いました。だって「君のいた日々」は消えないから。ずっとお互いの心に、お互いがいるんだから・・・。 pic.twitter.com/0VowEiDvf0— あんこ(あんぴぃ)@読書垢 (@annko_book) April 12, 2019
「夫婦とは良いもんだなーと、再認識。未婚男女に是非読んで欲しい。」
「同じ夫婦同じ夫婦を主人公に、それぞれ配偶者を亡くした日常を描く非日常的物語。
夫婦それぞれに悲しみつつも生きていく、生きていきながらも寂しさから逃れ得ない日常。
大感動でも、大傑作でもないかもしれないが、じんと夫婦の在り方について考えさせる1冊。」「もし夫が亡くなったら。もし妻が亡くなったら。20年連れ添った夫婦のパートナー喪失後を描いた物語。
こんなふうに相手に思われたら幸せだろうな、と思えるような夫婦の愛情がたっぷり詰まった優しい気持ちになれる物語だった。
私は新婚だが、もし妻がいなくなったら…と思うと、思わず春生の気持ちに感情移入してしまった。特に久里子が病院で春生に「また結婚して」という場面はうるっときた。」
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