絵を学びたい一心で明治の世にロシアへ
芸術と信仰の狭間でもがき辿り着いた境地――
日本初のイコン画家、山下りん
激動の生涯を力強く描いた渾身の大作
政府が何かにつけて欧米の文物を持ち上げ、日本の従来を恥ずべきものと唾棄しがちなのは、なんとも割りきれない。
我々はそうも劣っているのだろうか。なるほど近代技術は遅れているかもしれないが、それがすなわち人間が劣っていることにはならないだろう。白光(著:朝井まかて)より
— つきこ (@ottocoto) July 26, 2021
【あらすじ】
「絵師になります」
明治5年、そう宣言して故郷の笠間(茨城県)を飛び出した山下りん。
画業への一途さゆえに、たびたび周囲の人々と衝突するりんだったが、
やがて己に西洋画の素質があることを知る。
工部美術学校に入学を果たし、
西洋画をさらに究めんとするりんは
導かれるように神田駿河台のロシヤ正教の教会を訪れ、
宣教師ニコライと出会う――
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