病理医の日常 市原真 (著) 清流出版; 四六版並製 (2021/3/2)

「病理医とは何か」「私とはどういう人間なのか」あらためてきちんとぶつかります! 思考がぶつかり、変化する! ヤンデル先生の日常と思考を一緒に旅する新感覚エッセイ。

「病理医ヤンデル」の日常、ツイッター論、病理医への道、生老病死から幸福論まで!

目次
第1章 病理医の日常のお話 ─1日体験ツアーへようこそ!

・「医師のお仕事」と「病理医のお仕事」
医師の仕事を分類してみる/キーワードは「分業」、そして病理医の役割

・モーニングルーティン
病理医の日常に密着「メール」が主戦場です/相談に乗ることが大切な仕事/極めて重要な朝の2時間

・病理医の1日
病理診断見学スタート/一緒に顕微鏡を覗いてみましょう/全力で病(やまい)の理(ことわり)を考える

・食堂にて
お昼休みの質問タイム「給料」と医師のイメージ/休暇と研究費のやりくり

・5時と休日と
密着ツアーを終えて。照り返しと残像/境界は、夕方の5時「ノード」を変える

第2章 SNSのお話 ─おおまじめなツイッター論

・ツイッターの「ヤンデル先生」
おおまじめに書くツイッター論/発信は受信の「反射光」/病理医ヤンデルと自分の「境界」/境界からしみ込む無数の外部

・医療情報とツイッター
ダジャレについても考えてみる/ツイッターで「医療情報」を扱うことは遊びではない/医療情報を「書いて、置くこと」/情報を届ける工夫

・「SNS医療のカタチ」のかたち
医師がチームで発信する/広報役としての反射体「分業」でチームが強くなる!/医療を「やさしく」広げていく

第3章 お仕事のお話 ─ 病理医になるまでの多難な道のり

・成績がいいから医学部に入りました、のあとに
来し方を振り返る「やりたいこと」より「できること」だった/たどり着いた場所 ・「できない」の壁
研究の道に突撃/打ちのめされた自分/病理医の道を歩みはじめる

・「病理医が足りない! 」
はじめて「現場の病理診断」に触れる/無数のコミュニケーション/見つけた「やりたいこと」

・一進一退の日々
突然の二刀流宣言/さまざまな知見を照らし合わせて/今も、苦闘の日々

第4章 生老病死のお話 ─ この世界を、ストーリーを生きる

・病理医から見た生老病死
生老病死という四連峰/病気とは、相対的なもの/人も医学も生成変化する/異なる視座と、死という「見えざる山」

・新型コロナウイルス感染症禍の世界において
「分業」して「病」という山を見る/感染症によって変化したもの/ソーシャルディスタンシングの世界で

・いま、「生」を保つために
人体のメカニズムの精巧さ/運動は、一番めんどうな健康法/医療は「併せ技」です

・ヤンデル先生の幸福論
考えたことのないテーマに戸惑う/祖母と見た桜と、自分の生きる「ストーリー」/幸せそうな健康オタクの友人「分業」と「照らし合わせ」の先に

著者について
市原真(いちはら・しん) 1978年生まれ。2003年北海道大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)研修後、札幌厚生病院病理診断科へ(現在、同科主任部長)。医学博士。病理専門医・研修指導医、臨床検査管理医、細胞診専門医。ツイッターでは「病理医ヤンデル (@Dr_yandel)」として人気を博し、現在フォロワー数12.8万人。著書に『いち病理医の「リアル」』『Dr.ヤンデルの病院選び ヤムリエの作法』(共に丸善出版)、『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと 常識をくつがえす〝病院・医者・医療〟のリアルな話』(大和書房)、『どこからが病気なの?』(ちくまプリマー新書)などがある。

「この本の真価は第4章にあります。いきなり『生老病死』に語り始める本があったとしたら、敷居がすごく高くなるでしょう。『幸福論』なんて、最初に書いてあったら読まないかもしれません。穏やかな気持ちで、難解なテーマに導かれていきます。」

「生老病死のお話は、深く、先生のお人柄が感じられます。病理やSNS、書籍の執筆など、大変多くの活動をされている先生が、また新しい一面を見せてくださった気がします。この本を読めて良かったです。」

「非常に爽やかな読後感。著者の過去作品は大方読んでいるが、それらとはずいぶんテイストが異なる。最大の違いは、本書では「伝えたい」という思いがあえて強く意識されておらず、抑制の効いたトーンで仕事観、人生観が淡々と、しかし言葉巧みに語られているところ。そこに著者の真面目さ、実直さが現れている。思いがストレートに入ってきて大変心地よい。休日のお昼にコーヒー片手に読むのがオススメ。」


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