老夫婦が暮らす郊外の平凡な家にふと現れる、怪しきものの影――「老い」や「記憶」をテーマにしながら、リアリズム小説でもあり幻想譚でもあるような文学の深みを覗かせる。
練達の技で磨き上げられた八編の小宇宙。
【読了】
文學界
2019年1月号
黒井千次
枝の家
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老夫婦と線路の北側の小さな四階建てのスーパーマーケット。そこで何とも奇妙な枝ぶりの樹を購入する。そこまで書けば、話は尽きるが、この物語の妙な平熱ぶりは黒井氏の筆致に拠るところが大きいのだろう。それでもとぼけた感じはなかなか味がある。— 薫 (@kowloon1201) February 6, 2019
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