絵金、闇を塗る 木下昌輝(著) 集英社 (2021/6/18)

江戸末期に土佐に生まれ、幼少より絵の才能を発揮し、狩野派の技法を信じがたい短期間で習得した天才絵師、絵金。

江戸で絵を学んで故郷に戻り、土佐藩家老のお抱え絵師となるも、とある事件により追放される……。

狩野派を学びながらも独自の美を追究した絵金は、血みどろの芝居絵など見る者を妖しく魅了する作品を描いた。

その絵に魅入られ、人生を左右された男たちの生きざまから、絵金のおそるべき芸術の力と、底知れぬ人物像が浮かび上がる、傑作時代小説。

「昔、1972年の国立劇場で観た戯曲「絵師金蔵」?(どこの劇団だったかどうか記憶が不確か)で、絵金の無残絵が大きく背景に時々映写され、それに呼応するような、斬バラ髪で腹に刀を突き立てた血塗れの人物が舞台中央にせり出したり… 中学生だった私には忘れ難い大ショックな舞台で、話の筋やら何処の芝居だったのやら、細かい記憶は吹っ飛んで、血みどろの「絵金」のイメージが殆どトラウマ的に心に残りました。」

「初めて読んだ木下昌輝作品。とても骨太でした。
活字は白黒なのに、目に見えるのは「血の赤」と「光の金」。色彩がグワッとくる作品でした。
力強さとインパクトと圧力。読み終わって、やっと深く息が吸えました。
この本は、パワーストーンに近い気がします。身近に置いておくのが怖いぐらい、本からパワーが溢れています。」

「本書は、絵金に魅せられた…いや、取り憑かれた6人の物語である。
絵金の才能を見出した者、育てた者、影響された者、跪かせようとした者、己を託した者、そして人生を翻弄された者に至る迄…彼等の眼を通して絵金の魅力を思う存分味わう事が出来るばかりか、幕末から明治に掛けての過渡期と言う時代のうねりを感じる事も出来る。」


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