衝撃の読書体験! SNS、ネットで話題沸騰!!
2019年 第17回 開高健ノンフィクション賞受賞作ついに文庫化。
「2020年Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」「第19回 新潮ドキュメント賞」「第42回 講談社 本田靖春ノンフィクション賞」「第51回 大宅壮一ノンフィクション賞」各賞ノミネート!
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。
性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。
そして、戸惑いつつ、希望のかけらを見出していく──。
男女どころか人間同士のパートナーシップに疲れている方にぜひこの本をお勧めします。『聖なるズー』濱野ちひろ 集英社 26日発売 動物と性行為をも含めたパートナーシップを持つ人たちを取材したノンフィクション。獣姦!?キモ!と一言で退けずに、彼等の主張に耳を傾けて、つまり読んでみて欲しい
— 内澤旬子 (@riprigandpanic) November 25, 2019
【開高賞選考委員、驚愕!】
・「秘境」ともいうべき動物との性愛を通じて、暴力なきコミュニケーションの可能性を追い求めようとする著者の真摯な熱情には脱帽せざるをえなかった。――姜尚中氏
・この作品を読み始めたとき、私はまず「おぞましさ」で逃げ出したくなる思いだった。しかし読み進めるにしたがって、その反応こそがダイバーシティの対極にある「偏見、差別」であることに気づいた。――田中優子氏
・ドイツの「ズー」=動物性愛者たちに出会い、驚き、惑いながらも、次第に癒やされていく過程を描いたノンフィクションは、衝撃でもあり、また禁忌を破壊するひとつの文学でもある。――藤沢周氏
・人によっては「#Me Too」の「先」の世界の感性があると受け取るのではないか。この作品を世間がどのように受容するのか、楽しみである。――茂木健一郎氏
・多くのファクトに翻弄された。こんな読書体験は久しぶりだ。――森達也氏
(選評より・五十音順)
濱野ちひろ『聖なるズー』読んだ。濱野さんだからこそ、ズー(動物性愛者)の取材を通して、性や人間存在の問題について、ここまでの掘り下げが可能だったのだろうと思う。人はパートナーと真に対等なセックスが可能だろうかという問いは、我々人間に与えられた最も根源的な問いの一つだと感じた。 pic.twitter.com/DW8AZxJEiY
— 吉村萬壱 (@yoshimuramanman) November 29, 2019
【著者プロフィール】
濱野ちひろ( はまの・ちひろ)
ノンフィクションライター。1977年、広島県生まれ。2000年、早稲田大学第一文学部卒業後、雑誌などに寄稿を始める。
インタビュー記事やエッセイ、映画評、旅行、アートなどに関する記事を執筆。
2018年、京都大学大学院人間・環境学科研究科修士課程修了。現在、同研究科博士課程に在籍し、文化人類学におけるセクシュアリティ研究に取り組む。
「素晴らしい作品だと思いました。
私たちは誰しも心底愛する存在であり、互いにあるがままをまるごと受け入れ合える相手を探している。そしてその相手と深く愛し合い、その結果として、魂のまぐわいを体現するために性を求め合う。それに相応しい相手が人間ではない場合、種を超えることもある。魂のまぐわいこそが性愛であり、人間同士のジャンクセックスに疑問を感じ、性愛とは何か?と改めて見つめていた私には、深く響くものがあった。」「他のレビュアーがお書きになっているように、読書前後で景色も自分の中の曖昧さも
変わってくる素晴らしい本だと思います。
一緒にいる動物に「ペットではなく家族です。」という表現がありますが、家族は愛もあるがそれ以上に
義務と責任があります。ただ愛しかない、パーソナリティの出現、それを感じた後は。
改めて一緒にいて、旅立った愛猫2匹を思い泣きました。ミヒャエルは「僕たちはパートナーの一生を
最初から最後まで受け止めることができるだろう。そうやって命を見守ることができるという意味で
贅沢だと思う。」この言葉に尽きると思います。」「大変興味深く、様々な感情を想起させる本だった。
アブノーマルだと決めつけ忌避することや、精神疾患のカテゴリで語るのは簡単だ。しかし、人間の最も柔らかく大切にすべきセクシャリティの部分を、社会的に定められた常識に当てはめることの残酷さ。それを私たちは理解しつつあるのではなかったか。現代社会における寛容と不寛容の構造を、改めて突きつけられた思いだった。」
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