フルベッキ伝 井上篤夫 (著) 国書刊行会 (2022/9/23) 3,520円

フルベッキがいなければ、日本の近代化はあり得なかった――W・E・グリフィス

坂本龍馬や西郷隆盛、高杉晋作をはじめ、明治維新の志士たちが一堂に会して写っているともいわれる「フルベッキ写真」で名高いギドー・フルベッキ。

しかしながらフルベッキ本人が果たしてどのような人物であったのか、その詳しい生涯はいまだ謎に包まれたままである。

オランダに生まれ、アメリカに渡ったのち、1859年(安政6年)に来日、激動の幕末から明治期に、歴史上に名を残す多くの人物たちと交流を重ね、維新後は岩倉使節団の立案にも携わり、日本の近代化に大きな役割を果たしたその知られざる生涯を、生地であるオランダも含めた、フルベッキゆかりの地での綿密な取材と、新発見・未公開の資料を縦横に駆使して描き出した画期的評伝。

幕末の志士たちに影響を与え、明治の元勲大隈重信や「政体書」を起草した副島種臣はフルベッキから直接教えを受け、後に総理大臣となる高橋是清は終生、フルベッキを「師」と仰いだ。

日本に滞在すること40年。明治天皇や明治政府に厚遇され、日本で生涯を閉じた、近代日本建設の最重要人物にして、知られざる「哲人」フルベッキとは果たしてどのような人物だったのか――

「何故、この写真が今だに幕末の志士である坂本龍馬や西郷隆盛達であると思われているのか?この写真の真実とは!日本の近代化に多大なる貢献をしたフルベッキとその生徒達の真実に迫る一冊。」

「安政の開国・開港により長崎の地位はやがて低下し始めるが、1859年の三ヶ月間に日本の近代化に貢献した三大功労者の外国人が長崎に上陸した。
8月シーボルト(ドイツ)、9月グラバー(イギリス)、11月フルベッキ(アメリカ)だが、前者二名に比べて、フルベッキを知る人は長崎でも少ない。
『フルベッキ伝』作家はフルベッキ生誕地オランダ・ザイストを振り出しに足跡を辿り緻密な取材をして初出の書簡や資料を探し発表することで、フルベッキの生涯を通して、近代国家「明治」の養父と呼ばれるに至った経緯を解き明かしている。フルベッキに馴染みのない人もまたその研究者も倦むことなく読み応えのある労作である思う。」

「フルベッキは、幕末から明治中期にかけ、日本の近代化に非常に大きな貢献のあった人物である。ところが、オランダに生まれたものの国籍を失い、三年間アメリカで学んだ神学以外に、格段の専門知識を持っていなかった。この一宣教師に過ぎなかった人物は、いかなる大志を抱いて日本で活動したのか。そして、いかにして近代日本の恩人となり得たのか。本書は、記録や資料を発掘して紐解きながら、フルベッキの全体像に迫っていく労作である。」


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