敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻 古谷経衡 (著) 幻冬舎 (2021/9/29) 990円

インパール作戦で上官に逆らって撤退を決断した佐藤幸徳(さとうこうとく)、その配下で1人の餓死者も出さず撤退に成功した宮崎繁三郎(みやざきしげさぶろう)。

沖縄戦で大本営の方針と異なる作戦を立案・実行し、米軍を抑え込んだ八原博通(やはらひろみち)。

特攻を拒み、独自の作戦で戦果を上げた芙蓉部隊の美濃部正(みのべただし)――戦争という狂気の時代に、なぜ彼らは、暗愚な上官・中央の命令に抵抗し、信念を貫くことができたのか。

太平洋戦争を俯瞰しながら、4人の指揮官の決断と行動をたどる。

根拠なき精神論・同調圧力・理不尽が跋扈する現代日本への教訓の書。

著者について
文筆家。一九八二年北海道札幌市生まれ。立命館大学文学部卒。一般社団法人日本ペンクラブ正会員。時事問題、政治、ネット右翼、アニメなど多岐にわたる評論活動を行う。テレビコメンテーターのほか、ラジオМCとしても出演多数。『「意識高い系」の研究』(文春新書)、『日本を蝕む「極論」の正体』『左翼も右翼もウソばかり』(ともに新潮新書)、『女政治家の通信簿』『草食系のための対米自立論』(ともに小学館新書)、『毒親と絶縁する』(集英社新書)、長編小説『愛国商売』(小学館文庫)、など著書多数。

「かつて戦場だった現地まで苦労して出かけて行ってその空気感とともに伝えてくれています。なので、76年前、日本からはるか離れたジャングルでマラリアのデカイに蚊に刺されながら、バカな上官のせいでデカイ牛を引き連れながら汗だくになりながら黙々と行軍して亡くなった兵士さんたちの思いが自分に圧し掛かってくるように感じながら読めました。学生が読書感想文を書くためだけに下らない名作を読まされるより、読書感想文なんか書かなくて良いから一読して欲しいです!!こんな本を待っていた!」

「太平洋戦争入門書としては最適。あの愚戦であるインパール、悲惨な沖縄戦、特攻を軸にして戦史を振り返っている。さらに当時の精神論に基づいた作戦に反対した4人の将軍にスポットを当てている。古谷氏の文章は「前述の通り?」のように前述した内容を要約してくれるので、読み飛ばしていても内容が入ってくる。」

「読みやすく、戦時中のリーダー達だけでなく実際の兵士達の思考、軍部や政府の連絡体系などわかりいかに終戦の日を迎えたのかわかる。また8月15日以降も戦闘の続いたエリアもあることの記載があり、そこも良い。あの戦争から日本はしっかり学んでいるのか改めて考えるきっかけとなった。どうして戦争を始めるに至ったのか、その経過の中での考えや終戦に至るまでのプロセスなど知れば知るほど現在の政治のしくみにも繋がっていく。先の戦争の経験者の皆様が高齢となり、直接話を聞くことのできない現代の若者達に二度と同じ過ちを犯さぬよう是非ご一読いただきたい。」


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