紙の梟 ハーシュソサエティ 貫井徳郎 (著) 文藝春秋 (2022/7/13) 1,980円

ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。

私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか?

そんな思いに駆られたことはないだろうか。

一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかという緊張感。

過剰なまでの「正しさ」を要求される社会。

人間の無意識を抑圧し、心の自由を奪う社会のいびつさを拡大し、白日の下にさらすのがこの小説である。

恐ろしくて歪んだ世界に五つの物語が私たちを導く。

被害者のデザイナーは目と指と舌を失っていた。

彼はなぜこんな酷い目に遭ったのか?――「見ざる、書かざる、言わざる」

孤絶した山間の別荘で起こった殺人。しかし、論理的に考えると犯人はこの中にいないことになる――「籠の中の鳥たち」

頻発するいじめ。だが、ある日いじめの首謀者の中学生が殺害される。驚くべき犯人の動機は?――「レミングの群れ」

俺はあいつを許さない。姉を殺した犯人は死をもって裁かれるべきだからだ――「猫は忘れない」

ある日恋人が殺害されたことを知る。しかし、その恋人は存在しない人間だった――「紙の梟」


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