ヒノマル 古市憲寿(著) 文藝春秋 (2022/2/22) 2,200円

昭和18年、戦時下の日本。

国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。

日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。

「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」

「生き残ることは罪じゃないでしょう」

自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。

秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。

『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし本格青春小説。

著者からのメッセージ
『ヒノマル』を書き始めたのは2020年2月28日でした。

この2年間ほど、「自由」の意味を考え続けた期間はありません。

人々が相互に監視し合い、自ら不自由を求めるような息苦しい時代が、

二度と訪れないようにと祈りながら書き上げた小説です。

もう少し正確に言えば、僕にとって、書かざるを得なかった物語です。

不安の時は続きますが、この作品が、この世界の誰かに、

ほんのわずかでも希望を残せたら嬉しく思います。

古市憲寿

「古市さんの本は全て読みやすくて、ほぼ一気に読んでしまいました。
古市さんの小説は全て泣けるんです…。。今回もやっぱり泣きながら読みました。
そして、読みながら思ったのは、お花の名前がたくさんでてくるのは、少し驚きでした。
こういう小説を書く人は優しいんだと思います。古市さん、ありがとうございます。」


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