人、イヌと暮らす 長谷川眞理子 (著) 世界思想社 (2021/11/19) 1,870円

イヌと暮らせば、愛がある、学びがある。

進化生物学者が、愛犬と暮らして学んだこと。

  • イヌは世界をどのように認識している?
  • イヌのそもそもの起源は?
  • どうしてイヌは可愛いの?
  • イヌを飼うことで私たちのコミュニティはどう変わる?

進化生物学者と心理学者の夫婦の家に、真っ白な可愛い子犬がやってきた。

名前はキクマル。続いて、やんちゃな暴れん坊コギク、可愛いわがまま娘のマギー。

3頭3様、個性の違う彼らと一緒に暮らして考えたことをつづる、科学×愛犬エッセイ。

ところが、5月24日に「生まれました」というメイルとともに写真が送られてきた。可愛い、白い子犬(雄)がうずくまっていた。それを見たとたん、私は一目惚れしてしまい、「もう、あかん」と夫にメイルした。すると、夫も「わいもや」という返事。こうしてあっという間に、スタンダード・プードルを飼うことになってしまったのである。
(本書より)

【目次】

はじめに

プロローグ 我が家のイヌたち
始まりはネコだった/アフリカの奥地のネコ、アビちゃん/コテツくんとの暮らし/キクマルが来る/キクマルと私の関係構築/コギクとマギー

I イヌは世界をどのように認識しているか
第1章 食べる、嗅ぐ
イヌと食べ物をめぐる話/食べられる物か、食べられない物か?/イヌの嗅覚/ヒトの嗅覚はどれほど優れている?/匂いの学習と文化
第2章 見る、聞く、味わう
イヌの視覚/イヌの聴覚と耳の形/イヌの味覚、ヒトの味覚/世界と物体の感覚

II イヌとヒトの来た道
第3章 イヌはどこから来たのか
犬種のさまざま/イヌの家畜化の起源/サピエンスとネアンデルタールの興亡、そしてイヌ/イヌを小型化した遺伝子/小型犬の起源
第4章 生物の進化と人為選択
進化とは何だろう/遺伝子の仕組みと働き/遺伝子の構造/人為選択のプロセス
第5章 犬種の違い、個性の違い
さまざまな犬種の起源/イヌの仕事と特有の性質/南極観測隊とイヌの物語/イヌの性格/ずっと「一人っ子」だったキクマル/コギクが来る/マギーが来る
第6章 イヌの一生
イヌの成長過程/イヌの親によるしつけときょうだい関係/マギーの発情/イヌの寿命/キクマルの大往生

III イヌが開く社会
第7章 どうしてイヌは可愛いのか ―愛着形成の機構
社会的なイヌ、因果関係のチンパンジー/オオカミの社会生活/イヌを契機に「母性行動」全開/「母性行動」発現の仕組み/ヒトは共同繁殖
第8章 イヌを飼うことと私たちのコミュニティ
「イヌ友」で変わる近所づきあい/ルビーとアンバーのうちは特別/現代の都市生活の特殊性/コロナ禍で見えてきたこと

おとんから一言
社会の中のイヌ ヒト―イヌ関係再考(長谷川寿一)
学部長犬キクマル/イヌの起源、人とオオカミの出会い/猟犬としてのイヌ/ヒト―イヌ関係の文化差/イヌの仕事/コンパニオン・スピーシーズ
あとがき

著者について
1952年東京都生まれ。専門は行動生態学、自然人類学。野生のチンパンジー、イギリスのダマジカ、野生ヒツジ、スリランカのクジャクなどの研究を行ってきた。現在は人間の進化と適応の研究を行なっている。総合研究大学院大学学長。イヌと暮らしたことにより、世界が一変。今や、イヌもヒトも魚も、子どもはすべて可愛い。
おもな著書に、『科学の目 科学のこころ』(岩波新書)、『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書)、『生き物をめぐる4つの「なぜ」』『ダーウィンの足跡を訪ねて』(ともに集英社新書)、『クジャクの雄はなぜ美しい?』(紀伊國屋書店)、『世界は美しくて不思議に満ちている
―「共感」から考えるヒトの進化』(青土社)。


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