ひと 小野寺史宜 (著) 祥伝社 (2021/4/16)

人生の理不尽にそっと寄り添い、じんわり心にしみ渡る。

今だからこそ読みたいベストセラー、ついに文庫化!

独りだから、そばにひとがいるありがたさを知る。
―― 女優・作家・歌手 中江有里さん

女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が、急死した。

僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。

そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。

本屋大賞から生まれたベストセラー、待望の文庫化。

「人って信じられない、そんなことを思わされたときに読むといい本だと思う。主人公の柏木聖輔は若干二十歳にして両親を立て続けに亡くし、天蓋孤独の身になるところから話は始まる。大学をやめ社会に放り出されるわけだが、なんて悲惨な話かと思わされるものの周りの人たちは心温かな人が多く救われる。本当に困ったときに真の人間性が分かるということを地で行く小説!」

「鳥取から上京し大学に通う主人公は、突然の母の死によって天涯孤独となり、金銭面から大学を中退せざるを得なくなる。南砂町のアパートから近い砂町銀座商店街をうろつき、ふと引き寄せられたコロッケ屋でコロッケを安くしてもらった縁から、その店で働かせてもらうことになる。店の従業員の温かみに触れ、大学時代の友人達との前と変わらない付き合いや、故郷の同級生との再会の中で、少しずつ自分の境遇と向き合い、前向きになって行く…劇的な展開は無いものの、次第に前向きになる主人公を知らぬ間に応援していた。」

「読み始めてすぐに、この本面白い、と思った。逆境の主人公、美味しそうな食べ物描写。早いストーリー展開に読みやすい文章。主人公は親をなくしてしまう。当然お金がないけど、とても心の綺麗な人。だから周りの人にも大事にされる。そういう話。ただ、読み進めていくうちに、だんだんと、彼の「いい人」の強調がやりすぎのように思ってしまった。美味しい食べ物の描写は読者みんなが共感できる。嫉妬しない。でも、主人公がエリートすぎたり、美人すぎたり、いい人過ぎたりすると、ちょっと、しらける。共感できなくなるし、作者から、「徳のないお前はだめな人間だ」とまで言われているような気持ちになってしまう。」


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