
『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。
最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。
それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味合わせてくれる本格派小説です。
私たちの悩みに「答え」を出さないのが小説の良さだと思う。平野啓一郎さんと小説「本心」について昨日のTwitterのSpacesで会話して感じた。いや、正確には、出さないのではなく、悩みに正面から向き合って、もがいて、逃げずに向かっても、世界には分からないことだらけだと気づくことに良さがある。
— 竹下隆一郎/ハフポスト編集長/会話が生まれるメディア (@ryuichirot) May 26, 2021
「格差の中に生きる人を、孤独を抱きながら生きる人を優しく描く筆致に胸が迫った。」
「『本心』は、ダイナミックなものではなく、母を亡くした青年が母の「本心」を追求するエモーショナルな物語から始まる。そして、母が生前付き合いを持っていた人たちと青年が話すにつれ、仮想空間にAIとして再現したVF(バーチャル・フィギュア)の<母>と時間を過ごすにつれ、そして、青年自身、現実の生を生きるにつれて、手にしていくものがある。それは素朴な現実だが、確かな一歩だ。」
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