半歩先を読む思考法 落合陽一 (著) 新潮社 (2021/7/19)

分刻みの日常を疾走する若き才能は、いかにして未来を見通しているのか。

来るべき未来は半歩先から始まっている――。

研究者、教育者、メディアアーティスト、経営者……。

ジャンルの垣根を越え、新たな価値を生み出し続ける異才は、どう時代と対峙し、考えを深化させているのか。

混迷を極めるパンデミックの中で、将来への展望を開くために必要な思考プロセスを明かした、革新的「考える流儀」。

【著者からのコメント】
2019年の初頭から「note」で連載を始めました。
日々考えていることや時代に対して思うこと、今後の社会やインフラがどう変化していくかなどを書き留めては反芻していった記録が本になるということで実に感慨深く感じています。
特にビフォアコロナからウィズコロナ・ポストコロナへと変化していく時代の記録とその変化、リアルタイムで考えていたその展望を含め貴重な記録になったと思います。
今までのビジネス書とは異なり、長い時間をかけて散文的に書いた文章を編集の皆さまと編纂し、思考のエッセンスが凝縮された一冊になったと思います。
ぜひお手に取ってみてください。

■未曽有のコロナ禍でどう未来を見通したのか?
コロナ禍において、「世界が元に戻ることを当然のように思う(世間への)違和感」(2020/4/4)との発言で、“ビフォアコロナ”から“ウィズコロナ”、そして“ポストコロナ”への不可逆性を見通し、はじめて全国に緊急事態宣言が出された直後の原稿では、世界的にも終息時期の予測が乱立する中、「来年(2021年)の9月くらいにならないと状況が変わらないのでは」(2020/4/19)と、2021年現在の状況を予見するような記述を残しています。
著者が未曽有の事態をどう捉え、どのように考えを深めていったのか、その過程が同時進行で記録されています。

■過去の自分と対話を重ねる
著者は過去に自分が行ってきたことをたびたび振り返っています。
同時に、自分にとってコアとなる価値観は何なのか、繰り返し自身に問いかけています。激動する世界に振り回されることなく、常に自分のコアに立ち戻る重要性が伝わってきます。

■思考のプロセスを追体験できる文章
本書の原稿は、「思考と雑談するように文章を書く」という著者が、考えながら書き、書きながら考えた、思考のプロセスそのものです。
この本を読むことは、著者がどのように考えを深化させていくのか、その過程を追体験することでもあります。

■分野や領域に縛られない多ジャンルのインプット
研究の世界において最先端のテクノロジーを取り入れるだけでなく、メディア出演やイベント等を通して、学者、経営者、政治家、アーティストといった各界のトップランナーと対話を重ね、常に多種多様な情報をインプットし続ています。
著者のひとつひとつの判断の背後には、そういったジャンルを問わない膨大なインプットの存在があります。

「タイトルは若干ビジネス系の自己啓発本っぽくなっているが、内容は落合氏の随筆に近い。
個人的にはむしろこういう本を求めていたので良かった。落合氏が執筆当時どんな考えをしていたのか、よく理解できた。

総合的に満足しているが、少し心配な点も。
たとえば本書に載っている睡眠時間や疲弊感、摂取している薬などを読む限り、落合氏は働きすぎているんだろうなと思う。
最後のほうを読むとここ1年くらいで少し考えが変わったようにも見えるが、余計なお世話なのは承知の上で、落合氏は仕事量を減らし、sustainableな生活をしてほしいなと思った。
人間も機械と同様、働きすぎたら壊れるようにできているので。」

「本書でもそうなのだが、周りと比較して一丁前の視点で私見ています。という態度である。本書と内容は異なるが、news picksの動画を見たことあるだろうか。ハッキリと申し上げると、抽象的な話ばかりで中身がなく、論点もわかってない様子である。
「未来の日本はどうなりますか?」
「今の日本は構造上、終わってますw」
みたいな批判だけして、特に解決をいうわけでもなく専門用語を用いて、くどくどしゃべる。
周りのレベルに合わせて伝えるということができない。半歩先どころか、目の前のことすらわかってない。
まあ、「語り」が好きな人なので、そういう本だ、と捉えて是非一読してください。」

「カン違いする人が続出しそうな「釣りタイトル」の本なので、注意が必要だ。本書は「思考法のメソッドを身に着けるためのハウツー本」ではない。「ここ二年ぶんの落合氏の日記やエッセイを集めた雑文集」である。どちらかといえば、ファン向けの本だと思う。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事