風神の手 道尾秀介 (著) 朝日新聞出版 (2021/1/7) 1,045円

遺影専門の写真館「鏡影館」。

その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく――。

数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観。

朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む、道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説。

読み進めるごとに反転する出来事の『意味』

その鍵を握るのは、一体誰なのか――

本書は間違いなく、その執筆活動の集大成である

――ミステリ評論家・千街晶之 (解説より)

ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――『心中花』

まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件”――『口笛鳥』

自らの死を前に、彼女は許されざる“罪”を打ち明ける――『無常風』

各章の登場人物たちが運命にいざなわれて一堂に集う――『待宵月』

「風ってどうやって吹くのか?物語の終盤に何度か出てくる言葉。このテーマに対して、この物語は科学的根拠を提示するだけでなく、ここでいう風というものは、読者の心の機微に寄りそい、その時々の人間の喜怒哀楽を乗せて吹き去っていくものではないだろうか、ということを感じさせてくれる。読み終えてタイトルがどうして風神の手なのかがほんの少しだけ理解できた。特に、第一章の心中の花はストーリー設定も文章も秀逸で、山本周五郎節を彷彿とさせるものがあった。いや、今では筆者は肩の力を抜いて、心地よい独自の道尾秀介節を披露している。何気なく吹いてくる風を愛おしく感じさせてくれる風神の手。道尾作品の中で、何から読んでいこうかなと、今迷っているのであれば、真っ先にこの風神の手をお薦めする。そうして、それぞれの読者のそれぞれの読みの力で、あの道尾節にどっぷりとひたっていただきたい。」

「ミステリーとは言わないと思うが、とても優しい物語。花鳥風月になぞらった4つの物語から成っており、私は一番最初の「心中花」が深く心に残った。
日本の原風景を追体験しているような、美しく懐かしく、子どもの頃に知った夏の始まりや終わりかけのなんとも言えない寂寥感を思い出す。
とても良い作品だった。」

「遺影が専門の写真館を中心に、それにまつわる物悲しい話ばかりかと思っていたら、けっこう最後は気持ちよく終わってジ~ンとくる作品で、ほかにも道尾秀介さんの小説を読んでみたいと思った。」


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