「不愉快な隣人」と共に生きるにはどうすればいいのか。
いま必要なのは、キレイごとぬきの政治倫理だ!
異なる価値観を持つ人びとが共生する多様性社会を実現する方法とは。
世界一偏屈なピューリタンが生み出した、したたかな共存の哲学。
森本あんり『不寛容論ーアメリカが生んだ「共存」の哲学』(新潮選書、2020年)を頂きました。中世の寛容論の系譜に新大陸が与えた衝撃という類書にない切り口から、アメリカ政治思想史におけるキリスト教の意味が比類ない神学・歴史・政治史的知見で展開されています。急ぎかつ精読すべき必読書です。 pic.twitter.com/sx6LxeZUI3
— オッカム (@oxomckoe) December 15, 2020
「キリスト教に宗教的確信を持つウィリアムズが目指した寛容は、受け入れ難いものを無理に(自分を偽って)好きになったり理解しようとすることではなく、自分自身がその信仰や礼拝を他者に邪魔されたくないのと同様に、他者もまたそうされたくはないはずだという発想から出発する。それは最低限の礼節だ、と。人間が到達できる寛容など、実はその程度のものかもしれない。しかし、それこそが現代を生きる我々への宿題なのだ、とわたしは感じた。」
「無礼な政治運動から距離を取り、内心はどうあれ他人に「礼儀正しくある」ことが、2020年現在において最もラディカルな態度だと気付かされる一冊です。」
「「寛容」はよいこと、という常識的な信憑を丁寧に検討し、その盲点を的確に指摘しています。抽象的な寛容論ではなく、アメリカ植民地時代に生きたロジャー・ウィリアムズの生涯をたどり、その足跡に沿って伝統的な寛容論を展開していきます。絶対に譲れない内心の不寛容こそが寛容の土台となるのでR。」
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