百花 川村元気 (著) 文藝春秋 (2021/7/7) 803円

「あなたは誰?」

徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉。

ふたりで生きてきた親子には、忘れることのできない“事件”があった。

泉は思い出す。かつて「母を一度、失った」ことを。

母の記憶が消えゆく中、泉は封印された過去に手を伸ばす──。

記憶という謎<ミステリー>に挑む新たな傑作の誕生。

「あなたはきっと忘れるわ。だけどそれでいいと私は思う」

「また母が、遠くに行ってしまいそうな気がした。あの時のように」

……あの一年間のことは、決して誰にも知られてはいけなかった。

小説『世界から猫が消えたなら』『四月になれば彼女は』などで大きな衝撃を与えてきた川村元気、待望の最新文庫。

各界からも反響が続々!

◆息子と母の切ない思いに、胸が熱くなりました。──吉永小百合

◆深い感動のうちに読了した。
ぼく自身の母親の思い出と重なり、他人事ではなかったのだ。──山田洋次

涙が止まらない──現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。

解説は『長いお別れ』の中島京子さんです。

「大ファン、推しの菅田将暉さん出演と発表になりすぐに文庫を買い求めました。2日間で読了しましたが、最後のシーンは胸が熱くなりました。自分にも息子がおり、感情移入する箇所が沢山ありました。家族とは母息子とは。色々、考えさせられる作品として映画は是非是非観に行きます。」

「子供の目線で書いているので、高齢者の私は両方の思いが分かり切なくなりました。」

「はじめ、タイトルの百花とは?半分の花火とは?どういうことなんだろうから、謎を解きたくて読み始めました。一気に読了しました。一緒に住んでいるうちの母も認知症状が進んできています。ひとつずつ記憶が抜け落ちていく、私の名前も将来忘れていくのでしょう。身につまされます。今までできていたこと、覚えておいたことを忘れていく、このことは本人にとってとてもショックなこと。今覚えている記憶をなくさないよう、メモに書いている場面では、ぐっときました。半分の花火は、一時息子を捨ててある男性の元に走って母親が改心して息子とやり直そうと新しい住居から見えた花火で、建物の影で上半分しか見れなかった花火のことだったのです。人間は記憶でできているというフレーズが頭に残りました。またもう一度読みたい本になりました。」


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