生き物の死にざま 稲垣栄洋(著) 草思社 (2019/7/11)

すべては「命のバトン」をつなぐために…

子に身を捧げる、交尾で力尽きる、仲間の死に涙する…

限られた命を懸命に生きる姿が胸を打つエッセイ!

生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのでしょうか。

老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ。

地面に仰向けになり空を見ることなく死んでいくセミ。

成虫としては1時間しか生きられないカゲロウ…。

生きものたちの奮闘と哀切を描く珠玉の29話。

生きものイラスト30点以上収載しています。

「1 空が見えない最期──セミ
2 子に身を捧ぐ生涯──ハサミムシ
3 母なる川で循環していく命──サケ
4 子を想い命がけの侵入と脱出──アカイエカ
5 三億年命をつないできたつわもの──カゲロウ
6 メスに食われながらも交尾をやめないオス──カマキリ
……
……」

「「けんめいに 鳴きたる蝉の むくろ地に」と下手な俳句の推敲をしている時に、本『生き物の死にざま』の広告を見ました。そこには「空が見えない最後――セミ」と書いてありました。セミが仰向けになって死んでいる姿を捉えた本だ!と思ってAMAZONですぐ購入し読み始めました。
セミ、サケ、ゾウと関心のある生き物の文章から、飛び飛びに読みました。サケの生態については多少知っていたのですが、改めて詳しくその様子を読んで厳粛な気持ちになりました。このようにしてサケは命を繋いでいっているのかと。セミの生き方、ゾウの死に方についてもいろいろ考えさせられました。
しかし、本を読み進んでいくうちに、その先が読めないという感じに段々なってきました。あまりに生き物の生存ルール、種の保存方法が厳しく、心が苦しくなってきたのです。これが生き物の相互関係なのだと思っても息苦しく感じられてくるのでした。
それでも読み終えました。著者の理系でありながら、文系的な生き物や人間に対する愛情、洞察がヒシヒシと伝わってきたからです。人間性が深い著者だと感じました。そして、いろいろな生き物の生きざま、死にざまを知って、あなたはどう生きるのか?と問われているような気がしました。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

おすすめの記事