一人称単数 村上春樹(著) 文藝春秋 (2020/7/18)

短編小説集としては『女のいない男たち』から6年ぶり、小説は『騎士団長殺し』から3年ぶり。

村上春樹氏の最新短編小説集。

「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のこと。

しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。

そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。

そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。

そこで何が起こり、何が起こらなかったのか?

「一人称単数」の世界にようこそ。

収録作

  • 石のまくらに
  • クリーム
  • チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ
  • ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles
  • 『ヤクルト・スワローズ詩集』
  • 謝肉祭(Carnaval)
  • 品川猿の告白
  • 一人称単数

一人称単数のみ書き下ろし、他は「文學界」に随時発表

「『女のいない男たち』以来、六年ぶりの短編集。
少し奇妙で回顧的要素の多い私小説的な八つの短編作品。収められているほとんどの作品において、語り手が著者であろうことが作中より窺い知ることができます。著者の過去作では(こちらは著者が聞き手ですが)、同じように不思議な体験談をフィクションとして構成した『回転木馬のデッドヒート』を思い起こしました。静的な印象の作品が多く、とりわけ新規の読者への訴求力は弱いかもしれません。また、いくつかの作品内では関西弁が用いられており、私的要素が強い作品集とはいえ、村上春樹の小説作品としては珍しいのではないでしょうか。」


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