ある事件で母と妻子を亡くした辻本拓海は、大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。
ハリソン一味のメンバーは、元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。
彼らはひと仕事を終え再集結し、ハリソンの提案で次に狙いをつけたのが泉岳寺駅至近にある広大な土地。
市場価格100億円という前代未聞の案件だった。
一方、定年を間近に控えた刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた。
次々と明らかになる地面師たちの素顔、今だかつてない綱渡りの詐欺取引、難航する辰の捜査。
そして、地面師の世界に足を踏み入れた拓海が知った衝撃の事実……。
それぞれの思惑が交錯した時、待ちうけていた結末とは――。
地面師たちの組織的犯罪を、圧倒的なリアリティーで描いた新時代のクライムノベル。
突然ですが、新庄耕先生の[地面師たち]と言う作品ををご存じだろうか。
積水ハウスの事件をモデルにした作品で
地面師グループが企業相手に詐欺を働くフィクションだが、作品の構想、表現、全て面白い。
不動産屋目線で見るのもまた一興
この作品を映像化したい。
クラファンで映画作成できないかな— shu6 (@djshuhei96) December 7, 2021
【著者略歴】
新庄耕(しんじょう・こう)
1983年、京都府生まれ。神奈川県在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2012年、「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞受賞。著書に『狭小邸宅』『ニューカルマ』『カトク 過重労働撲滅特別対策班』『サーラレーオ』がある。
「あの積水ハウスが騙されるなんて…、でも自分だけはそんな目に合う訳ないと思ってる不動産業界の方は必読ですね。改めて、こういう見事なプロ達に出会わずにやって来れた自分は、単にラッキーだったんだと思うくらい、感情移入してしまい、あっと言う間に読み終えました。部下達にも必読書として薦めます。」
「不動産業界で働いていますので、勉強になるかと思い購入。本で描かれるスキームは知識としてあったので、特段驚きはありませんでした。ストーリーも予想通りの展開。とはいえ人物描写、特に主人公から感じられる虚無感はよかったです。著者の作品はほぼ読んでますが、狭小住宅のほうがおもしろかったです。」
「おそらく積水ハウスが地面師によって63億円もの金銭をだまし取られた事件をベースにしています。複数のストーリーが最終的に一本につながるストーリにページをめくる手が止まらず、あっという間に読み切りました。」
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