官邸は今日も間違える 千正康裕 (著) 新潮社 (2021/12/17) 946円

コロナ禍の日本を迷走させた「謎」政策はなぜ生まれたのか。

官邸主導に適応できない日本政治の課題を元厚労省キャリアが指摘する。

コロナ禍の日本政治は迷走が続いた。

突然発表された全国一斉休校に、閣議決定をやり直した一律給付金、アベノマスクと揶揄された布マスクの配布……。

現場に混乱を生み、国民の信頼を損なう政策はなぜ生まれたのか。

原因は「官僚主導」から「官邸主導」への変化に、政治の仕組みが対応できていないことにある。

元厚労省キャリアが、もつれた糸を解きほぐし、政治と官僚、国民のあるべき姿を提示する。

「一昨年まで府省庁に勤務していた者です。国家公務員であった頃、官邸はいつも厳しい要求を短い期限で指示してくる強大な「怪物」でした。その怪物の正体やメカニズムを知りたいと思い、本日Kindleで配信になったところ一気に読みました。本書からは、官邸が必ずしも絶対的な正義を体現した存在でないこと、永田町や霞が関も含めて生々しい意思決定がバタバタと行われていることが、コロナ対策を中心とした新しい事例から具体的に理解できます。前著の『ブラック霞が関』に続き、最新のトピックをタイムリーに分かりやすく解説する筆者は、私たちと霞が関・永田町を橋渡しする、貴重な役割を果たしていると思います。そして本書のまとめとして述べられているとおり、私たちが政策について誰か任せにせず、情報をしっかりと読み解き、理解した上で政治・行政に届けられるかが大切であり、いわゆる「官邸主導」が進んだとされる今だからこそ、私たちの役割と責任は重くなってきていると感じます。一人でも多くの人が本書を手に取り、政策について共に考えてほしいと感じました。筆者の次回作も楽しみです。」


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