近年は糖質制限ダイエットの流行に伴って、健康のキーワードとして血糖値が日常の話題に上ることが多くなりました。
そんな血糖値が実は春先にかけては数字が上昇しがちだといわれています。
糖尿病の診断基準のひとつである「HbA1c」は、過去1~2か月の血糖値の平均が反映されます。
そのため、年末年始に食べ過ぎ&運動不足といった生活を送った人は、その影響がここにきて反映されてしまうのです。
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春に血糖値が上がる…
血糖値は一度上がってしまうと、正常値に戻りにくくなってしまうのはご存知のとおりです。
また、春は花見や歓送迎会などでの飲酒や高カロリーのつまみによる影響、
さらに引っ越しなどの環境変化によるストレスも血糖値上昇に関連するとの研究もあります。
そのため、意識して対策を講じることが重要なのです。
バージンオリーブオイルに関する美容・健康情報を発信するオリーブオイル健康ラボでというのがあります。
そこでは、血糖値の乱高下(血糖値スパイク)の抑制にオリーブオイルがどのような効果をもたらすのか、医療法人社団池谷医院・院長で東京医科大学客員講師の池谷敏郎・医師の監修により比較検証を実施しています。
心臓、血管、血液のエキスパートである池谷敏郎・医師の監修により、パンを摂取した時にエクストラバージンオリーブオイルがもたらす血糖値の変化を測定。
その結果、食パンのみ摂取するよりもエクストラバージンオリーブオイルと一緒に摂取したほうが血糖値の変化がゆるやかになり、血糖値の上昇を抑制できることが判明したのです。
オリーブオイルで糖の吸収が緩やかに
検証によって、毎朝食べているパンも何もつけずに食べると血糖値が乱高下する血糖値スパイクに陥りがちということがわかりました。
食後の高血糖は、2型糖尿病の予備軍というだけではありません。
そのものが様々な疾患のリスクを高めてしまうのです。
急激な血糖値の上昇・下降は有害物質の活性酸素を発生させることになります。
そうなると、血管内皮細胞を傷つけ血管を老化させ、動脈硬化を招いてしまうのです。
食後の高血糖は、がんや認知症のリスクを高めるという研究結果もあります。
さらに、食後高血糖を繰り返すと、その都度過剰のインスリンが分泌され、肥満の原因になってしまいます。
エクストラバージンオリーブオイルをつけたパンが血糖値スパイクを防げたのは、オリーブオイルには摂取した食べ物の胃排出時間を遅らせる効果が知られていて、糖の吸収がゆるやかになったためと考えられます。
流行の油の危険性が指摘されている
一時期、ω-6系のリノール酸が健康にいいとされ、トウモロコシやヒマワリを原料とする油がもてはやされたことがありました。
ところが、いまでは動脈硬化を進行させることがわかっているのです。
さらに、バターの代わりにマーガリンを摂取することが推奨された時代もありました。
マーガリンは本来、液体である植物性の油を人工的に固形にした不自然なものです。
マーガリンに多く含まれるトランス脂肪酸は非常に危険な物質で、心疾患を増やすことがはっきりわかっています。
そのため、欧米ではトランス脂肪酸の使用が厳しく規制されているものの、日本では野放し状態です。
コンビニで売られている菓子パンやスナック菓子には、マーガリンやショートニングといった油が使われていますが、そこにはトランス脂肪酸が多く含まれていると認識しておいたほうがいいでしょう。
このように、脂質についてはこれまで「いい」と言われていたものが、数年後には「危険」に変わることも多く、いたずらに飛びつくには注意が必要です。
現在流行のココナッツオイルは、すでに発がん性が疑われています。
90%以上が飽和脂肪酸で、動脈硬化を進める動物性脂肪です。
まだ証明はされていませんが、危険な油ではないかという識者も多いのです。
オリーブオイルのある暮らしで健康イキイキ!『オリーブハート』
なぜオリーブオイルは最強の油なのか?
一方、オリーブオイルについては、ほぼ100%、健康にいい油として積極的に摂取していいとされています。
一価不飽和脂肪酸が豊富な油で、105歳まで医療の最前線に立ち続けた聖路加国際病院の故・日野原重明先生も、毎朝オリーブオイルを飲んでいたそうです。
2016年の研究では、エキストラバージンオリーブオイルは食後血糖値を50mg/dl以上下げることが報告されています。
摂取量の目安として、大さじ1~2杯(15~30ミリ)ぐらいを適量と考えていいでしょう。
ただし、高品質の加熱処理をしていないものであること、製造日からあまり日数が経っていない新鮮なものであること、開封したら早めに使い切ることといった条件はつけておきます。
オリーブオイルは、液体の油でありながら、比較的変性しにくいと言われています。
それでも、どんな油でも変性に注意が必要。
加熱処理していないエキストラバージンオリーブオイルであっても、冷暗所で保管し、新鮮なうちに使い切ってしまいましょう。