あなたの愛人の名前は 島本理生 (著) 集英社 (2021/12/17) 638円

直木賞受賞第一作!

すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。

「あなたは知らない」……私を「きちんと」愛してくれる婚約者が帰ってくる前に、浅野さんと無理やり身体を離して自宅までタクシーでとばす夜明け。

ただひたすらに「この人」が欲しいなんて、これまでの人生で経験したことがない。

「俺だけが知らない」……月に一、二回会う関係の瞳さんは、家に男の人がいる。

絶対に俺を傷つけない、優しく笑うだけの彼女を前にすると、女の人はどれくらい浮気相手に優しいものなのか、思考がとまる。

同じ部屋で同じ時を過ごしていながら、絶望的なまでに違う二人の心をそれぞれの視点から描いた1対の作品。

他の収録作品に「足跡」「蛇猫奇譚」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」など。

【著者略歴】
島本理生(しまもと・りお)
1983年生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。2018年『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞受賞。『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『よだかの片想い』『イノセント』『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』など著書多数。

「この本に出てくる人物たちは、パートナー以外に愛を求めざるをえない、どこか人間特有のもろさというか、不安定感のようなものを抱えています。不倫、愛人という単語を聞くと自分とは関係のないことと考える人もいると思いますが、生活の中で生まれる隙間、余白の中にどうしようもないものを抱えて一線を越えてしまう人もいる。そんな人たちは決して特別な人ではなくて、自分を認めてほしい、愛されたいと願うどこにでもいる普通の人だったりする。そんな怖さというか、リアリティーを感じました。」

「初めて島本理生さんの本を読みました。
六つのお話が入っていて、読みやすく、とても面白かったです。短い話ですが、本の世界に引き込まれました。
島本さんの他の本もぜひ読みたいと思っています。」

「人生というのは死んだら終わりだが、結婚や出産や浮気や不倫…というような日常はそれが終わってもずっと人生は続いているわけで、小説や映画や舞台のように、はいこれでおしまい~というわけにはいかないのだ。そう言う意味ではこの本はとてもいい本で、もう一度じっくり読み直してみたいと思わせる。やはり直木賞取るのだから只者ではないという事だろう。」


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