キスに煙 織守きょうや (著) 文藝春秋 (2024/1/25) 1,870円

愛した人は、殺人者かもしれない――。

かつてフィギュアスケーターとして活躍し、引退後はデザインの仕事をする塩澤。

彼と好敵手として競り合い、今もトップスケーターの地位にある志藤。

互いに、自分の持たないものを持つ相手として意識し続ける二人だが、塩澤にはライバル心だけではない、ひた隠しにするもうひとつの思いを抱き続けていた。

ある日、塩澤の昔の恋人であり、志藤とは犬猿の仲であったコーチのミラーが転落死したとのニュースが入る。

孤高のスケーターで敵も多かったミラーの死は、周囲に動揺をもたらす。

あいつ、殺されたんじゃないか? 火のない所に煙は――とばかりに広がる不穏な噂に搦めとられるように、塩澤と志藤は互いにこれまでとは違う視線を向けるようになる。

告げるだけで重荷になると秘めた恋心、自分のために罪を犯したのではという疑心。

二つの感情の狭間で、互いを守るための選択とは――。

アイデア・コンセプトと塩澤・志藤等主要キャラは良いが…
レビュータイトルの通り、コンセプトとキャラクターは魅力的でした。フィギュアスケート好き、ブロマンスが好きな人には好まれそうです。ミステリーとして、ミラーの死の真相を引っ張る緊張感も良かったです。
しかし、話の途中で(おおむね章ごとに)視点が変わるのは良いとしても、誰視点で見ているのか?が、分かりづらい時がありました。また、主要なファクター・誤解が全部会話で解明されるところは、少し興醒めというか、もう少し描写力で魅せてほしいところでした。」


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