虚空の人 鈴木忠平 (著) 文藝春秋 (2022/7/27) 1,760円

なぜ、清原和博に引き寄せられるのか? その内面 を覗いてみたいという衝動に駆られるのか。

清原が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕された後、初めて接点をもった著者は、堕ちた英雄の心に空いた穴=虚空を巡る旅に出た。

前人未到の 13本塁打を放った甲子園のヒーローの残像、いまだ心に傷跡として残るKKドラフトの悲劇、岸和田での少年時代…。

かつてのスーパースターのルーツをたどり、関わった人々の証言を聞くにつれ明らかになったのは、 清原和博という男の“弱さ”と“矛盾”だった。

清原が覚せい剤取締法違反で逮捕されてから、 執行猶予が明けるまでの4年間を追い続けた筆者による傑作ノンフィクション。

スポーツ紙記者を辞め、フリーとして執筆活動を始めた鈴木忠平が清原とどう 対峙したかを記しつつ、清原という存在に惹きよせられ、 翻弄された人々の視点を通して『虚空の人』が浮き彫りになる。

「「嫌われた監督」の著者が書く清原、自然とこの本に手がのびる。
ただ、「嫌われた監督」とは全然違う。
落合が監督として何を考えていたか、にはとても興味があるし、プロ興行である野球の監督には語る義務もある。だから、バンキシャとしてうまく胸襟を開かせた本に独特の面白さがあった。
翻って、清原。
みんな清原が大好きで復活をこころから応援している。が、脱覚せい剤に苦しむ清原の詳細を知りたいとは思ってはいないし、桑田との関係をほじくり返して何になる?
甲子園の決勝を見に行った出来事は読んでいて「よかった」と思ったけど、「清原を食い物にしている」なんて言われる前にそっとしておこうぜ。」


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