マンション管理員オロオロ日記 南野苑生(著) フォレスト出版 (2020/9/23)

マンション管理員オロオロ日記――当年72歳、夫婦で住み込み、24時間苦情承ります

「若者はまずやらない仕事」

住民の不服、苦情、その最前線

管理員が見つめる鈍色のドラマ

――どん底からの奮闘の記録――

大反響を呼んだ『交通誘導員ヨレヨレ日記』シリーズ第4弾

マンション管理員といえば、エントランス横にある小さな事務所にちょこんと座っている年輩男性というイメージをお持ちの人が多いのではないだろうか。

たしかに管理員は高齢者と相場が決まっている。若くてもせいぜい60歳くらいだろう。

ところで、なぜ老人ばかりなのだろう。

ずばり言おう。賃金が安いからである。

――本書は13年のあいだ、管理員室から眺めてきたドキュメントである。

●はじめにより●
大阪の分譲マンションに夫婦住み込みで勤務する私の現在の給料は手当てを含めて月17万円。
そこから所得税や健康保険、雇用保険、住民税などが天引きされ、実質手取りは15万円程度といったところである。「副管理員」という立場の家内のほうは月にもよるが平均で6万円強。手取りだと夫婦合わせて21万円ほどの額なのである。
これだけ賃金が安ければ、ほかに働き口がある若者はまずやってこない。
それともうひとつは、マンション管理員という職業が、若者ではこなせない職務内容を多分に含んでいるからであろう。
はじめからケンカ腰で怒鳴り込んでくる人もいれば、酔っぱらってフラフラになって駆け込んでくる人もいる。酸いも甘いも噛み分けた器量の持ち主でなければ、本来できない職務なのである。

「マンションの管理員は激務だとは聞いていたが、まさかこれほど大変な仕事だったとは。思わず絶句してしまった。これではまるで使用人か奴隷ではないか。
住民からの苦情やら依頼やらの処理、不法駐車、ゴミ問題、騒音等々・・・
よほどメンタルと忍耐力の強い人じゃないとこなせないな~と同情した。
特に、第2章の横柄な理事長やフロントマンとの確執は、自分が当事者であるかのような強い怒りを覚えた。
勤務時間外の労働までされて、本当に管理員の仕事のしんどさを痛感したが、理解ある協力的な住民との交流の話には感動した。
こういう縁の下の力持ちの人達が安全・安心なマンション暮らしを支えているんだなと思った。筆者の日ごろからの御苦労に心から敬意を表したい。」
「本屋さんでたまたま目につき、味のある表紙の可愛く無い絵が妙に気になって、思わずジャケ買い。(笑)
この秋の夜長に まったりチビチビと読ませて頂こうかなと思っておりましたが、正直、思ってた以上に驚きと衝撃の連続で、かっぱえびせんじゃ無いけど 途中で読む事がやめられませんでした。久しぶりです。
管理人さんって、縁の下の力持ち!なだけじゃなくて、実はとってもスーパーハードなのですね。まるで、人知れず働くヒーロー、スーパーマンのようです。」

「一気に読み終え、何という激務かと可哀そうになった。実は、私も元管理員です。約200戸の新築マンションに、30代前半で妻と住込みでした。住民からは、若いくせに阿保かと、思われていましたが、国家試験を目指し、家賃不要・光熱費無料が魅力でした。今は、国家試験にも合格し、司法書士事務所を開業しています。実は、管理員となったのは、別会社の住込みマンション管理員であった先輩の勧めです。先輩は、司法試験に合格して弁護士となっています。ともに、当時合格率2%台を突破しました。

マンションの管理員は、共用部の管理が仕事ですから、住民間のトラブルとか個人的問題に、立ち入るべきではありません。また、仕事は広いマンションですから、いくらでもありますが、ある程度割りきらないと、自分で自分の首を絞めかねません。当書物の著者は、余りにも頑張りすぎです。

マンション管理員を希望する方が、この本を読めば二の足を踏むでしょう。しかし、私らのようなケースもあります。また、全ての管理員が、それほどの激務なら管理員をやる人も少数でしょう。管理員の優等生になる必要はありません。是非アタックして下さい。」


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