怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ 森合正範 (著) 講談社 (2023/10/26) 2,090円

「対戦相手の心情など知れる機会などなく、この一冊は自分が辿って来たキャリアを色濃くしてくれました」(2023年11月17日の井上尚弥選手のXより)

「みんな、井上と闘うなら今しかない。来年、再来年になったらもっと化け物になる」

2013年4月、井上尚弥のプロ3戦目の相手を務めた佐野友樹はそう叫んだ。

それからわずか1年半、世界王座を計27度防衛し続けてきたアルゼンチンの英雄オマール・ナルバエスは、プロアマ通じて150戦目で初めてダウンを喫し2ラウンドで敗れた。

「井上と私の間に大きな差を感じたんだよ……」。

2016年、井上戦を決意した元世界王者・河野公平の妻は「井上君だけはやめて!」と夫に懇願した。

WBSS決勝でフルラウンドの死闘の末に敗れたドネアは「次は勝てる」と言って臨んだ3年後の再戦で、2ラウンドKOされて散った。

バンタム級で史上初となる4団体統一を果たし、スーパーバンタム級初戦となったフルトン戦で2団体のベルトを獲得。

2023年12月26日に4団体統一戦を控えた「モンスター」の歩みを、拳を交えたボクサーたちが自らの人生を振り返りながら語る。

強く、儚く、真っ直ぐな男たちが織りなす圧巻のスポーツノンフィクション。

【本書の内容】
プロローグ
第一章 「怪物」前夜(佐野友樹)
第二章 日本ライトフライ級王座戦(田口良一)
第三章 世界への挑戦(アドリアン・エルナンデス)
第四章 伝説の始まり(オマール・ナルバエス)
第五章 進化し続ける怪物(黒田雅之)
第六章 一年ぶりの復帰戦(ワルリト・パレナス)
第七章 プロ十戦目、十二ラウンドの攻防(ダビド・カルモナ)
第八章 日本人同士の新旧世界王者対決(河野公平)
第九章 ラスベガス初上陸(ジェイソン・モロニー)
第十章 WBSS優勝とPFP一位(ノニト・ドネア)
第十一章 怪物が生んだもの(ナルバエス・ジュニア)
エピローグ

「描写がリアルで読みやすくて引き込まれてしまいました。」

「とても内容が濃く、各章を読んだ後にその試合の動画を改めて見直すと非常に感慨深く感じられ、敗者の立場や思いなどを胸に、また違った角度からもう一度楽しめました。」

「敗者のリアルのコメントで、井上の強さだけでなく、敗者のドラマにも共感されるものが多く、最高に面白い。著者は上手く傾聴しつつ相手の本音を出来る限り聴き出している。」


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