ミス・サンシャイン 吉田修一 (著) 文藝春秋 (2022/1/7) 1,760円

僕が恋したのは、美しい80代の女性でした…。

大学院生の岡田一心は、伝説の映画女優「和楽京子」こと、鈴さんの家に通って、荷物整理のアルバイトをするようになった。

鈴さんは一心と同じ長崎出身で、かつてはハリウッドでも活躍していた銀幕のスターだった。

せつない恋に溺れていた一心は、いまは静かに暮らしている鈴さんとの交流によって、大切なものに触れる。

まったく新しい優しさの物語。

吉永小百合、推薦。
「彼女は亡くなり、私は生きた」
鈴さんの哀しみが深く伝わって来ました。
作家の故郷への思いを
私は今、しっかりと受け止めたいです。

「往年の銀幕スター、鈴さんの家に荷物整理のアルバイトで通うことになった一心。
ハリウッドでの活躍した元スターでありながらも地に足つけて暮らしている現在から、荷物整理に合わせて過去をなぞっていく。
まるで実在している人物のように、映画の世界を始めとして当時の時代描写で描かれていて、知っている人のような錯覚を起こさせる。
著者の古い日本映画に対する造形の深さとノスタルジーにうたれながら、故郷や人の人生への思いが伝わってくる物語。
派手な展開ではないが、じんわると染み込むような良い話であった。
過去の実際の世界との対比で、現代の一心の彼女の前の男と離れられない姿のどうしようもなさもリアル。」

「長崎出身の「和楽京子」という昭和の大女優の住まいを訪ねる主人公の一心。彼は、ゼミの教授に依頼されて、彼女の倉庫の整理を任されます。そこには、「大女優」の過去の夥しい資料があり、一心の整理の進捗に合わせるように「大女優」の一生が語られ、そこに一心の生き様、恋愛、人生がシンクロしていきます。「大女優」にモデルがあるのかどうか、昭和の映画史の合間に何人かの実在した女優たちがオーバーラップしていきますが、そのあたりの妙味はお読みいただければと思います。」


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