
劇場内で起きた殺人。
名乗り出ぬ目撃者たち。
梨園のたたえる光と闇を鮮烈に描く歌舞伎ミステリの傑作。
若手歌舞伎役者の中村銀弥は、言葉が思い出せなくなる症状に苦しんでいた。
夫に後ろめたさを抱える妻の一子は気遣うことしかできない。
約二カ月前、銀弥の亭主役を務めていた役者の婚約者が劇場内で殺された。
上演中に包丁で刺されたはずが目撃情報も得られないという。
梨園を巻き込んだ事件を調べ始めた大部屋役者の瀬川小菊と探偵・今泉文吾は、いかなる真相に辿り着くのか。
近藤 史恵
1969年大阪市生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年に『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年に『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。人間心理の機微を描く筆力の見事さには定評がある。著書に『ガーデン』『ねむりねずみ』の他、『タルト・タタンの夢』にはじまる〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ、『それでも旅に出るカフェ』『ホテル・カイザリン』『山の上の家事学校』『風待荘へようこそ』『オーロラが見られなくても』など多数。
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