おもかげ 浅田次郎(著) 講談社 (2020/11/13)

涙なくして読めない最終章。

人生という奇跡を描く著者の新たな代表作。

孤独の中で育ち、温かな家庭を築き、定年の日の帰りに地下鉄で倒れた男。

切なすぎる愛と奇跡の物語。

エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。

家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へとさまよい出し、忘れていたさまざまな記憶が呼び起こされる。

孤独な幼少期、幼くして亡くした息子、そして……。涙なくして読めない至高の最終章。著者会心の傑作。

時代を超えて胸を打つ不朽の名作『地下鉄(メトロ)に乗って』から25年――

浅田次郎の新たな代表作、待望の文庫化。

「浅田次郎、原点回帰の久々の傑作。やっぱ、彼の小説家としてのモチーフには「地下鉄」があるんだね。その意味では、これ以上の作品は残せない。最後の小説かもしれない。」

「定年を迎えた竹脇。送別会の帰りの地下鉄の中で倒れた。集中治療室に運ばれた竹脇は、ベッドに横たわる自分の体を横目に、彷徨った。クリスマスの夜の新宿高層ビル、静かな入江、地下鉄の中……。なぜ、竹脇は、そんな世界を彷徨ったのだろうか? この小説の核心のような気がする。竹脇は「おもかげ」を求めて、彷徨ったのだ。心の中で思い続けてきたものを求めにいった。情景の描写が、自分が体験しているかのように見事だ。彷徨った光景が、糸を紡ぐように結ばれる。物語の折り畳みに心を揺さぶられる。浅田文学の最高傑作だと思う。」

「浅田次郎といえば「角筈にて」が個人的に大好きな作品であったのだけれど完全にそれの上をいく作品だった。最後の20頁ほどは恥ずかしながら泣いてしまってページをめくれなかった。ここ数年で小説としてはこれが一番だろう。 日本人、それも男性であれば、この作品に共感しない人はいないんじゃないか。特に40歳以降の人には全員読んでもらいたい。自分のしてきたことが色々許されてゆくような感覚にもなったりして兎に角素晴らしい作品。」

 


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