大人は泣かないと思っていた 寺地はるな (著) 集英社 (2021/4/20)

時田翼32歳。九州の田舎町で、大酒呑みで不機嫌な父と暮らしている。

母は11年前に出奔。翼は農協に勤め、休日の菓子作りを一番の楽しみにしてきた。

ある朝、隣人の老婆が庭のゆずを盗む現場を押さえろと父から命じられる。

小学校からの同級生・鉄腕が協力を買って出て、見事にゆず泥棒を捕まえるが、犯人は予想外の人物で――(「大人は泣かないと思っていた」)。

小柳レモン22歳。バイト先のファミリーレストランで店長を頭突きしてクビになった。

理由は言いたくない。偶然居合わせた時田翼に車で送ってもらう途中、義父の小柳さんから母が倒れたと連絡が入って……(「小柳さんと小柳さん」)ほか全7編収録。

恋愛や結婚、家族の「あるべき形」に傷つけられてきた大人たちが、もう一度、自分の足で歩き出す姿を描きだす。

人生が愛おしくなる、始まりの物語。

「人生は一本道、自分らしく頑張って前に進んでと背中を押されたような気がしました。私の中では久々の心に刺さる本でした。」

「何か大きいことが起こるわけではない田舎のごく日常でも、ひとりひとりの目線で物語が描かれていて、心が揺り動かされて人生で何が大切なのか、心が温かくなりました。」

「寺地さんの小説はちょっと笑えるところもあって、基本的にやさしい人が多く出てくるので、安心して読むことができる。主人公の翼くんもやさしい人だなと思った。趣味がお菓子作りというのも、人物像にあっているなと思った。「遠くばっかり見ずに、近くのものに対応していく」というメッセージが、ありがちではあるけど改めてそうだよなぁ、と思った。」


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