パリの空の下で息子とぼくの3000日 辻仁成 (著) マガジンハウス (2022/6/30) 1,980円

幸せというものは、欲ばらない時にすっとやってきて寄り添う優しい光のようなものじゃないか。

ぼくが離婚をしたのは息子が10歳になったばかりの年だった。

本書は14歳の頃からスタートするが、回想するように、息子が10歳だった当時に遡ることもある。

小学生が大学生になるまでの間の父子の心の旅の記録である。

ぼくは父であり、母であった。

シングルファザーになったあの日から

著者について
東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの”食べる”スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。

「辻さんのブログはずっと拝見していました。
フランスという異国の地で結婚し、子供ができ、そして突然の離婚があり息子さんと2人フランスに残った奮闘記と拝見しました。何より正直にご自分の気持ちを吐露し、そこによく思われようとかカッコよくしようという装飾はなく、異国の地でフランス語もままならない父が息子と向き合うさまざまなシーンが衒いなく書かれています。そうだろうなぁ、きっと大変に違いない。実際はその何十倍も大変だろうことは想像は容易です。息子さんもよく頑張ったなぁと感じます。辻さんも相当ストレスを抱えながらも、愛する息子さんの為にありとあらゆる知恵を絞って今日まで来たに違いない。とにかく美味しいものをこの子に食べさせてやろう、でも時には厳しくしないといけない。僕は父親だけど母親までやらなくちゃ。そういう気張りが時には辻さんの心を破壊したり立て直したり、とにかく頑張ったパパの生き様です。感動しました。」

「良かったです。
異国の地で父と子が衝突しながらも寄り添って生きてきた時間が丁寧に書かれています。
その時間は誰にも、批判や評価や介入される事のない時間だと思います。
辻さん、頑張りました??」

「20年以上前のこと、図書館でふと目に留まったエッセイ集、「音楽が終わった夜に」を借りて読んだ。辻仁成をそれまで知らなかったし、エコーズも聞いたことなかったけど、どうしてもどんな音楽か知りたくて、「The Best of Jinsei Tsuji」を買った。真っ直ぐなロックンロールに彼のファンになった。
今まで、彼の本はたくさん読んできたけど、今回のこの本が一番好きかもしれない。
私の息子は今28歳だけど、10代だった頃を思い出しながら、最初から終わりまで涙を抑えることが出来なかった。」


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