力道山未亡人 細田昌志 (著) 小学館 (2024/5/31) 1,980円

第30回小学館ノンフィクション大賞受賞作

“戦後復興のシンボル”力道山が他界して60年。

妻・田中敬子は80歳を越えた今も亡き夫の想い出を語り歩く。

しかし、夫の死後、22歳にして5つの会社の社長に就任、30億円もの負債を背負い、4人の子の母親となった「その後の人生」についてはほとんど語られていない──。

〈未亡人である敬子には、相続を放棄する手もあった。
しかし、それは考えなかった。
「そんなことを、主人は絶対に望んでないって思ったんです」
敬子は社長を引き受けることにした〉(本文より)

「力道山未亡人」として好奇の視線に晒され、男性社会の洗礼を浴び、プロレスという特殊な業界に翻弄されながら、昭和・平成・令和と生きた、一人の女性の数奇な半生を紐解く傑作ノンフィクション!

選考委員絶賛!
・辻村深月氏(作家)
「未亡人・敬子さんの人柄がくらくらするほど魅力的」

・星野博美氏(ノンフィクション作家)
「戦後日本の闇の深さを際立たせることに成功した。過去と現在がうまく共存し、そこから日本の変遷が透けて見えた」

・白石和彌氏(映画監督)
「アントニオ猪木や周りの人との関わりも、プロレスファンが読んでも堪らなかった」

国民的スターとの幸せな結婚生活はわずか「半年」。

22歳で30億円もの負債を背負った「未亡人」――。

何とも壮絶な人物を想像しますが、選考委員・星野博美氏が評したように

田中敬子さんは”フワフワ”していてとてもチャーミングな女性です。

そんな敬子さんの激動の半生を細緻に描いた本作は「第30回小学館ノンフィクション大賞」を受賞しました。

老若男女問わず、多くの方に読んでいただきたい1冊です。

「力道山未亡人が力道山を語る著述は幾多あるが、これは彼女自身の評伝である。著者の前作野口修評伝に比べ分量が少ないので一気に読了した。力道山未亡人といえば、子どもの頃は、無理難題を吹っかけて猪木をいじめたオバサンというイメージだったが、真相はそんな単純なものではなかった。馬場シンパの山本正男のシナリオに乗っけられただけということだった。これで彼女への悪印象は雪冤された。この一事でもわかるとおり他人に利用され食いものにされる未亡人だが、それでも他人を恨まず、飄々と年月を重ねていく人生は菩薩のようである。某元子とか某ズッコとは明らかに異なる。この方は目出度く百寿を迎えられることだろう。なお、本書のラストで、甲子園でも活躍された力道山ご令孫(出来の良い方)のその後が語られたことも良かった。とにかく知りたいことが全て書いてあった。Gスピ71号と併読されることをお薦めする。」

「筆者ならではの取材力で読み応えのある一冊。しかし、プロレス歴史本の側面が強すぎて、敬子さんが経営者としてどうであったのか、そのあたりのレビューが薄く、そこが残念。赤子の手をひねる様なもの、というのは観念的であるし、敬子さんご自身の回想のみでその経営を振り返っておられ、運命に翻弄された、で終わってしまって、それでは物足りなく感じた。誰かもう一人、経営者として敬子さんを客観的に語る財界人のインタビューが入っていると、もう少し幅広い層に訴えられたと思う。」

「ネットニュースで刊行を知り、興味が湧いてAmazonにて購入。
「小学館ノンフィクション大賞」という賞を獲っているのだとか。

そこまでプロレスに詳しいワケではないのだが、著者の執念と呼べるまでの取材が変態的に凄い!
何十年も前の新聞やら雑誌やらの記述がワンサカ。
主人公の未亡人・敬子さんが「健康優良児」だったとか、英語の論文で表彰されていたとか
ネタバレになるので避けるが、幼少期から後の有名人たちと交流があったなど、
力道山の登場するまでがすでにメチャクチャ面白い。そこから悲運を辿るのだが、どんな時も
明るくてそこがなんとも救いなのだ。朝ドラの主人公のように前向きな女性である。

きっとプロレスファンの人が読者層のメインなのだろうが、読みやすいのでそうでない人にもオススメ。」


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