李王家の縁談 林真理子 (著) 文藝春秋 (2021/11/22) 1,760円

皇族華族の内面をこれほど正確に描ききった小説は読んだことがない。傑作である。
――歴史学者・磯田道史

いつの時代も、高貴な方々の結婚問題はむずかしい――

梨本宮伊都子妃は、娘・方子女王の結婚相手探しに奔走していた。なかなか身分の釣り合う婿が見つからないのだ……。

方子女王が皇太子妃になる道が潰えた今、方子がみじめな思いをしないように、一刻も早く、良縁を見つけてやらなければならない。

聡明で率直、そして行動力に溢れた伊都子妃は、誰も思いつかなかった方法で、娘の方子女王を〈皇太子妃〉にする道を見つけ出すが……。

そのために乗り越えなければならない課題は、伊都子妃の想像を越えるものだった。

高貴なる人々が避けては通れない縁談を軸に繰り広げられる、ご成婚宮廷絵巻が幕を開けます。

林 真理子
1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろ う」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「み んなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 本朝金瓶梅―お伊勢篇 (ISBN-13: 978-4167476359 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

「空前の韓流ブームに、眞子さんの結婚、さすが元コピーライターです。(今盛んにネトウヨが旧宮家復活をツィートしてますが、成る程腑に落ちました。誰が得するんでしょうね。)やはり只者ではないです。」

「明治から太平洋戦争までの日本の精神風土を象徴するような女性が肥前佐賀藩から出現したことは、佐賀
出身の私にとってとても複雑です。しかし、その精神が日本の近代化に貢献したのは確かでしょう。評価は時代によって変化します。今は彼女の存在に気が付いてくれてありがとうという気持ちです。」

「香淳皇后との関わり、赤坂プリンスホテルの歴史等とても興味深かった。縁談を進める際の、母伊都子の心情描写は、林真理子の得意とするところで、前半部分はぐいぐい引き込まれた。結婚後は、歴史的記述が中心となり、少し退屈だったかも。」


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