老虎残夢 桃野雑派(著) 講談社 (2021/9/16) 1,870円

第67回 江戸川乱歩賞受賞作。

最侠のヒロイン誕生。

湖上の楼閣で舞い、少女は大人になった。

彼女が求めるのは、復讐か恋か…

各選考委員絶賛。

綾辻行人「論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎」

京極夏彦「南宋の密室という蠱惑。武侠小説としての外連。特殊設定ミステリという挑戦。愉しい」

私は愛されていたのだろうか?

問うべき師が息絶えたのは、圧倒的な密室だった。

碧い目をした武術の達人梁泰隆。

その弟子で、決して癒えぬ傷をもつ蒼紫苑。

料理上手な泰隆の養女梁恋華。

三人慎ましく暮らしていければ、幸せだったのに。

雪の降る夜、その平穏な暮らしは打ち破られた。

「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」

乱歩賞の逆襲が始まった。

「気を操る武術の達人達が活躍する武侠小説、そして密室殺人というミステリーの題材を組み合わせた非常に珍しい作品です。」

「全体として、近年の乱歩賞作としては良い出来。構成がいい。話が途中から大きくなる展開に期待が膨らむ。時代描写もまずまず。キャラもそこそこ。
謎の提出の仕方は上手い。」

「個人的に老虎の死亡原因が肩透かしな印象でしたが、物語の広がりや組み合わせなどはさすがデビューを勝ち取っただけはあるなと思いました。そして、この筆者は人の優しさを書ける方だなあと。これからも楽しみです。」


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