南米随一の産油国として繁栄していたベネズエラ。
しかし、長引く政情不安や経済政策の失敗により、国民は貧困に苦しみ、日常的に犯罪が発生する南米最貧最恐の国になってしまった。
すでに「破綻国家」とも言われているベネズエラの本当の姿を見るために、著者は身の危険に晒されながら三度にわたってこの国に潜入する。
果たして、著者は何を目撃するのか。新進気鋭のノンフィクションライターが挑んだ限界ギリギリの冒険紀行。
サッカー? ハイパーインフレ? 国家破綻寸前? ベネズエラという国に対して私たちが持っている断片的なイメージを繋ぎ合わせる、刺激的なノンフィクション。めちゃくちゃ面白かったです。|北澤豊雄『混迷の国 ベネズエラ潜入記』産業編集センター pic.twitter.com/yteRSZthUG
— 往来堂書店 (@ohraido) March 20, 2021
【目次】
- 第1章 記者たちと国境へ
- 第2章 首都カラカスを歩く
- 第3章 三度目のベネズエラ
- 第4章 刑務所にいた日本人
- 第5章 コロンビアへの脱出
- 〔付録〕野獣列車を追いかけて
「国家破綻寸前とされるベネズエラだが、報道の惨状は一時的の極端な現象をクローズアップして伝えられたものだと知らされる。とはいえ、やはり低所得層なら日本円にして月200~1000円という収入の極度の減少ぶりは異常で、著者自身も取材中にいくつかのトラブルに巻き込まれている通り、お世辞にも治安が良いとは言えないようだ。貧困対策を前面に打ち出した政府が国家を困窮に追い込んだ事実は印象的である。」
「ハイパーインフレ(月給200円)の泥棒だらけの現地人が信用できない国。犯罪率、殺人率、腐敗した警察官や官僚、こうした国に取材に行く著者の気が知れない。しかし彼が取材したので、どこが、何が、特に危険かわかる。」
「ベネズエラへの取材期間はそれほど長くはなく、旅行者視点で同国の市民生活を探るということ以外には目立つテーマがなかったためか、全体的に淡泊には感じた。」
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